表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
532/539

見てよ、郊外に太陽がたくさんあるよ 3

 ゆらゆら踊れ、ゆら~りゆららに踊れ、炎のよ母とゆら踊れ、ゆら~りゆらに、ゆら踊れ。


 舞踊の技一つが、

 詠唱の魔力装填ブーストになっている。

 踊り方、舞い方、飛び方、滑り込み方に角度、とキレ。

 あたしが生前、魔女だった時に特別目を掛けてたシャーマンなダークエルフに授けたものだ。

 舞踊の心得を理解していれば、

 他の魔法にも応用は聞く。


 まあ例えば...

 おっと浮気はダメっぽいな。

 炎の精霊たちが涙目っぽい。

 こりゃ失敬。


 星になって、ゆら~り踊れ、玉になって、ゆら~りゆららら踊れ...

 核撃魔法!! ふぁいっやー、ぼぉーる!!!!


 よし! 今回は踊り間違えなかった。

 失敗は無し。

 どうだ、はっはっすご~いだろ。



『ちょー、何つくてんだよー!!!』

 怒鳴るは、アグラどん。

 シグルドさん一行は火炎連弾ファイアショットガンと同時に到着し。

 ミロムさんらと再会、新たに加わった妹神マディヤ一行とも知己を得た。

 そんで、だ。

 郊外で禍々しいいろの太陽を目撃したというので――こんな現場トコまでご足労願ったと。

 そういう流れのようだ。

『ちょー、何つくてんだよー!!!』

 は、最後の産物を前にする叫びで。

 目撃後は、あたしの仲間だった黒い点が、はるか街の外に見える気がする。

 はて?

 もはや、あたしと街と黒点かれらという構図だが。

 どうったの?!



 まあいい。

 至高なる火炎球はまさに星になった。

 そうなるように精霊たちにイメージさせて、想像させた火の星。

 見た目は、そうだなあ。

 絶望を火炎で覆い隠したような、

「美しい」

 逝ってた。

 この時はマジであたし逝ってた。



 だって、赤黒く燃え盛る炎の塊だよ?!


 想像してたのと一緒。

 イメージ通りの黒い太陽ができた。

 芸術アートなんて人それぞれの感性だと思うけどさ。

「これ、いいよね!!」

 誰に同意を求めたのか。

 友人たちははるか東のかなたで黒い点になってみえるんだし。

 妹神のマディヤだって避難してるんだ。

『お姉ちゃんさ、部分的に忘れてるんじゃなく、ちゃんと覚えてるんじゃない?!』

 念話がまな板を貫通した。


 がふっ


 あ、え?!

 あたしはよろめきながら、宙にあった火炎球ほ放り投げてた。

 この星はいくつもの世界をいてきたものだ。

 神々が住まう天界を。

 人界には焼け落ちた天界の残骸が降り注ぎ、

 次元を超えて、魔界の地形も強制的に変えてしまった災いの星。

 其の名は『羅睺星』。

 中二の病に侵されたような響きだけど、あたしが転生させられたきっかけは、だ。

 この吉凶の星で神々を強制退場させたことによる。

 んで、踊ってたら。

 忘れてたかつての人生?

 いや、神のひと柱だったのを思い出したとこ。


 えっと。

 この星は危ないんで、そのまま宇宙に飛ばしちゃいましょう!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ