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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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YOUは、何しにバスラへ 1

 妹柱マディヤの日課になった散策を、蛇目のアイヴァーさんと共に終えたふたり。

 最初こそは燕尾服のバトラーっぽいナシムや、三本爪のシグルドさんがあちこちに目を光らせてたんだけど――目当ての不審者が一向に接触してこないので。

 方針を変えようって話になった。


 先ずはナシムの服装が、

 そう彼女の燕尾服がバスラの地に全くと言って溶け込まないことで。

 彼女のマディヤ護衛の任は一旦、解かれてしまう。

 これが生き甲斐だった少女にすると。

「なあに此処での外出向きでは無いってことだ。落胆するほどではない」

 シグルドさんの介抱を他所に。

 少女はマディヤとともに散策するアイヴァーさんを睨みつけ。

「分かってるんですよ!! マディヤさまの()()()を密かに狙ってるんですよね!!!」

 ムキぃぃぃー。

 まあ、終始、こんな調子で絡んでた。

 おい、もう少し大人になれ。


 燕尾服は少女の戦闘服のようなものらしい。

 民族衣装だとか言い出さなくて良かったけども。

 次にシグルドさんの殺気が話題にあがる。

「なぬ、某の?!」

 シグルドさんの目つき、すんとした態度に、漏れる殺気。

 怖い、怖い。

「いや、まったく。これで隠密だと言うのだから困ったものだ」


「目つきは生まれつきです」

 確かに外見偽装シェイプシフトしてるとは言え。

 元のパーツから離れすぎると双方で事故になる。

 まあ、イメージしにくいので限界の外に出たことが無い。

「まあいいさ。俺も人のことは言えぬ。だが、師匠であり先輩からの助言として受け止めて欲しいんだが、シグルド、お前の『絶対に逃さぬ!!』というソレな。ああ、今もなんか漏れてるオーラ、消せないのか?!」

 殺気にも似てるので、近寄りがたい。

 あたしはバカだからそんなシグルドさんのチクチクとしたオーラ、嫌いじゃない。

 でも、人探しには向かないよね。

「しかし」


「俺たちは乙女神の干渉を得て、空間転移した。ま、これだけでも隠密性なんて欠片も無いんだが」

 能天気な妹柱マディヤはアイヴァーさんにしがみついてた。

 なんか気に入ったようだ。

 恋路になるかは要、見守りだが。

「――確かにな。旦那と接触したっていう魔法使いも、空間に干渉できるなら気ぃーついたってコトだろ?」

 和装の剣士、アグラが膝を叩いてた。

 それでも接触してこない。

 或いはもう。

 いや、彼らは『バスラで待つ』と残した。

 少なくとも移動してても痕跡のほどは残してくれてるだろう。

 そのための接触に違いない。

「だが、猶予もないことは」

 セーライムに乗り込む連中の後を追う方もある。

 この訪問は有限であるということだ。

「そうだな、そうだ。長居はしないさ」

 アイヴァーさんの決意。

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