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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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白の狂信者たち 8

 各派閥に狂信者、廃信者の心を持つ者は少なくはない。

 何にトチ狂ってるのか別の問題なので割愛して。

 教会中枢から見たら、()()()()()に真摯でない者は等しく、狂信者というレッテルが張られている。

 この場合の『真なる教義』は、巫女を政体の中枢に置いた。

 女王が祈りを捧げる乙女神の事で。

 唯一無二の絶対神という位置づけでなければならない。

 それ以外の土着的神の存在は――『悪』なのだと言った。


 ここではっきりさせておく。

 後輩が祈り続けて、顕現させてしまった...

 あたしの分霊のような()()()()()も、漏れなく。

 乙女神信仰においては『悪』認定される存在である。

 後輩は泣きながら神を処分しなければならないんだが。




 勘のいい神だった。

 いあ、パンツの持ち主の分霊なわけなのだから、察しがいいのだろう。

 パンツが逃げた。

「巫女さまからの審判が下る、心して拝聴するがよい!!」

 スクロールをするすると、解く神官。

 異端審問官の紅とは修道女としての階級は似た位置にあり、派閥の優劣に配慮などしなければ。

 彼女、後輩は優秀な魔法使いとして重宝されていた。

 無派閥かつ司祭のローブに身を包み、神妙で険しい表情でかしづいていた。

「神秘の秘匿は由々しき問題。また同時に教会内で邪神を操るとは許されざる背信行為である!!! よって紅司祭の階級の2階級降格を命じる。ただの巡回修道士に戻り、罪を濯ぐ旅に出よ」

 後輩にとっての教会は、魔術師斡旋所からの派遣された仕事の一つでしかない。

「破門とか、そういうのじゃない?」

 蒼炎の魔女が残るのであれば世界中に魔女を送り込んでいる組織としては、痛手でもない。

 後輩の技術と知識、身体能力は稀有。

 貴重な種類の戦力だった。

 斡旋所にしてみれば引く手あまた。

 本人にしてみれば、あたしと行動できるとか先走った考えに合った。

「破門だと?!」

 されたいのかと、怒鳴られた。

 唾きが飛ぶ勢いだったが。


 咳払いで――

「さて、邪神となり果てたご神体。渡して貰おう?!」

 黒墨と煤が残る祭壇に手を掛ける兵士。

 特別に女人禁制の院に、宦官のような特別な兵士が動員された。

 後輩が優秀な魔法使いであるための用心だが。

 空がきらりと光って、

 凄まじい轟雷が響き渡る。

「無暗に祭壇に手を触れるから」

 後輩の呆れた表情に。

 呆れた声音。

 その祭壇も神秘な遺物になってしまったのだ。

 後輩曰く、

 乙女神さまにパスを開いてもらったのだとか。

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