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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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白の狂信者たち 7

 白の派閥での信条と言えば『清廉であれ、乙女神に捧げよ』とする。

 派閥に所属する際、ニューフェイスな修道女たちは更に、俗世からの誘惑を断ち切る為の合宿カリキュラムに強制参加させられる。彼女たちは、下着とも別れを告げて――身一つ、冷たい洞窟の中へ入って祈りだけ7日間の行を行うのだという。

 途中、ぽんぽんが痛くなった子がほぼ全員になるので。

 実のところ2、3日は洞窟。

 残りの後半は病院にいるというのが通例で。



 卒業した少女たちは、晴れて白の派閥に入閥。

 その印としてのローブが与えられる。

 汚れなき純白の絹と、高い次元のエリート意識、ツンケンした性格へ。

 温和だった子も高飛車なお嬢様風になるというから...

 どこかでマインドコントロールでも受けてんじゃね?

 ってのが教会の噂好きさんたちの間でネタにされてた。



 派閥ごとに教義が違う事もあるので。

 教会と言う巨大な傘の下に考え方の違う、別の教団があるような雰囲気の中。

 後輩はごく一般的に中立な異端審問官として上司に怒られてた。

 ま、自室の隠し部屋に祭壇を作る。

 これは赦されるが、神さまを生み出す行為は――OUTのようだ。

「いえ、当方の神さまですけど!! でもー」


「でもも、へちまも無いでしょ!!」

 修道女の上司も、修道女。

 後輩の部屋で黒墨になった躯を徴した結果。

 男子禁制の『奥の院』に男が入り込んでた。

 骨格から性別が分かり、降霊術によって『パンツ盗んでました』とゲロったので、昨今、院内で騒がれてた下着泥棒だと判明。これにより公共洗濯場、公共乾燥室の厳格な監視が解かれるようになる。

 安堵した同様の趣味の女性陣もホッと胸をなでおろした。

「言うて、あんたも似た趣味なのでしょ?」


「ええー!! 疑うんですか?!」

 直上の上司が疑うのは、祭壇の神秘がパンツだからだ。

 かつての旧文明テクノロジーで生み出された、“ジップロック”なる()()()()で、匂いと状態をある一定時間止め置くアーティファクト。そんな貴重な技術を用いてた後輩を疑わないはずもない。

 白の信者同様に、おまえも狂信者だよって突きつけた。

「疑われない理由が知りたいわ」

 トーンは平常心。

 其処が少し怖いとこ。

「そんなー 当方はいたって無害な小動物ですよ?」


「いや、どう猛な大型肉食獣にしか見えん。気に入った小娘をロックオンした後、ひとくち甘噛みしたら飽きるタイプだろ? ちゃんと育てて、自分好みするのが大事な過程だと...」

 唐突に、何の脈絡もなく。

 後輩が腕を組み、斜に構えて――

「先輩は、後輩を育てしくじったコト。悔しいんですね!! 当方が先輩の思い通りの『銀帯の修道女おねえ』さまって呼ばないことに、お腹を立てになさってる...とか?」

 上司は浄化を得意とする魔法使い。

 巡礼修道士の頂点に立つ、視力を失って特異の能力に目覚めた方。

 世間では『銀帯の修道女』と呼ぶ。

おまえはなあ、一言が多いんだよ」

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