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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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白の狂信者たち 2

 紅の修道女の祭壇が暴かれた時。

 世界にというか、人界に激震が奔った――神の秘事が暴かれた時に奔る、こう、天変地異のような。

 えっと。

 正しくはひとり信者の狂信的な祈りの()()で。

 いつの間にか、あたしは赤ちゃんな、神さまになってた。

 厳密には、あたしじゃない別の神さまなんだけど。

「え?! 赤子の鳴き声???!」

 セーライムに木霊するベイビーな声音。

 祭壇が薄く光だして。

 ろうそくの火が天井を焦がす勢いの炎へと急成長する。

 神を奉じる正教会に神罰が。


 暫くするとシトシト、雨が滴る。


 勢いよく泣いたら、出ちゃった模様。

 生まれたてだからねえ。

 仕方ない、うん。



 神罰には大小、様々な形がある。

 あたしの場合は――

 世界をいた魔女としての立場がある。

 後輩の祭壇の方ではない。


 今も廃れることにない信仰があって、多くの信者がある。

 しかも最近では悪魔教や魔神、邪神教めいたもんまで紐づいてたりした。

 天界に今でもあたしが居れば間違いなく、乙女神をも凌ぐ最強女神になってたかもしれない。


 ま、まあいいわ、それ。


 後輩の祭壇の方へ戻る。

 パンツの神様がうっすらと――おいおい、アレは3歳の頃の()()()じゃないかい?

 降臨なさった。

 後輩はすかさず膝を突いて平伏する。

 戸口にある白衣のようなローブの修道士は驚きはしたけど、嘲笑した。

「ちっさ」

 神か、或いは精霊か。

 生まれたての神秘だ。

 天は局所的に厚い雲に覆われ、陽の光を遮った。

 天界にあるストレッチ中の乙女神さえ、眉をひそめてた。

「こ、こら!! あんたも膝くらいは屈しなさいよ。怪我するよ」

 パンツの神様だが、何がデキるかも未だ未知数だけども。

 とりあえずは雷鳴が響き渡る。

 セーライムの巫女が祭壇から跳ね飛びて、安全圏へと逃れてた。

 そうやって各陣の重鎮たちは神罰に備えたのだ。


 いあ。

 安全圏に逃れる前に、

 巫女曰く

『火に油は注がないように!!』と告げてた。

 巫女の言葉なので、ソレが神によってもたらされたものだって瞬時に理解した。

 それぞれの枢機卿間が乾いてたとしても、教会の重鎮かんぶである。

 それぞれの祠に籠って、祈り始める。


 祈ってない人は...

 1名かな。

「あーこらー、挑発するなー」

 紅の言葉に耳は傾けない。

「コレに何がデキるってんだよ!!!」

 こうして、避雷針へ雷が落ちたのだ。

 肉の焼ける匂いが祭壇に満ちる。

『なあ、紅の?』

 平伏して動かない後輩。

『あたし、肉が食べたくなった』

 んー。

 これ邪神かな?

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