武王祭 騒動 5
あたしと、女剣士の逢瀬は。
濃厚でした。
もう、まったりドロドロ、じゃっかん...チーズ臭もなくはない。
暫くは、どっちが壁に背を預けるかでもめて。
で、姉弟子のあたしの両手に指を絡めて――首筋の裏の方にキスの跡を残す。
女剣士は、耳たぶを甘噛みしてソフトタッチばかり。
なんていうか。
すっごい新鮮なんだよね。
後輩にはされるがままなわけで、常に敗北感しかないんだけど。
こっちは、さ。
壁に追い込まれて、膝を割られて太腿が押し込まれてるのに...ぜんぜん、負けた気がしない。
「ほら、肘...もっと挙げて、バンザイ..して.」
女剣士が耳元で囁いてくれる。
恋人繋ぎのまま、腕を頭の上まで持っていかれて。
脇乳にキス。
「ちょっと酸っぱい、かも」
「じゃ、お風呂...いく?」
うん、だって。
ああ、こんなつもりじゃなかったんだよ。
勝負下着にすれば、よかったあ~
ひゃーあー
◇
サウナ付きの高そうな宿屋に入ったよ。
女剣士が宿泊しているってとこらしく、プライベートな居住空間が宿泊客の心を癒してくれるんだと、あいつがガイドみたいなこと言ってたんだわ。
さっぱりしながら、まったり、しっぽりの第二ラウンド。
路上でも主導権の取り合いをしたんだけども、
サウナから這い出たあたしの上に跨る、女剣士の目には星ならぬハートが見えるようで...
「ちょ、た、たんま...腰に力が」
「あんたのはじめてを摘んだ妹弟子が、ちょっと熟れた果実を食す! うん...これこそ天命だとは思わないかな?!」
あたしは、肩を竦めて...
「いや、どうかな。後輩ちゃんも時々吸ってるし」
「んにゃんにゃ、紅ちゃんのはそう、出荷前のものをつまみ食いしているもの...こっちは蒸らしておいた完熟製品!! 手間暇が違うのだよ~」
って、腹ばいだったあたしを、ひっくり返したわけだ。
ふだんは皮革製のチチバンドで、押さえつけてる房が左右に揺れる。
ああ、あたしにも揺れるくらいのはあったんだって、認識できるだけの動きが胸にあった。
驚きと、喜びに涙が頬を伝う。
ヘビイチゴみたいな、TKBが勃ってた。
ぱくり――食われ申した。
甘噛み、甘噛み。
舌先で転がされて、犬歯がちくちく当たる。
当たってるって、ちょ、痛いって。
「...ど、どう、かな...」
聞いてどうするって思ったのは声に出した後だった。
女剣士がこれまた、いい顔して微笑むんだわ。
「美味しい」
耳まで真っ赤にしてて、
もうタオルも巻かずに、這い出ちゃったことも忘れて...身を任せようと思った一寸。
あいつが、あたしのヒダからティッシュカスを見つけやがって、ですね...怒るんです!!
洗い方が雑だって。
で、
「奇麗にしてやるから、こっちに主導権よこせ!!」
と。
なんだってそんな事になったのか?!
あ、あたしが身を任せたからだわ。
剃刀で、デリケートな雑木林を丁寧に手入れされ。
ヒリヒリしないよう、ポーションを石鹼水とともに混ぜ込んで...洗ってくれる。
ケアは十分ですが。
なんか捨ててはいけないものを...
サウナに置いてきたような、気がするんです。
「ったく、このエルフは...」
「な、なんだよ」
ベッドの上で妹弟子の胸に顔を埋める、あたしがいます。
これお付き合いしている状態だと...彼氏とか、或いは旦那のポジションに、女剣士ってこと...だよね?
だよなー。
やっべ...
胸中、頭抱えてその辺を転がりまくってる、あたしがいる。
抱き寄せられるあたし。
「エルフって沐浴しているイメージしかないんだけど、お前はとくべつ風呂ギライか?!」
「いやいや、それはイメージ先行ってやつだ。森にいる奴らはサバイバーだし、狩りでもしなければ、しょっちゅう入ることは無い。あたしは髪が短い方だから、洗うのに難儀することは無いけど...森の奴らは、黒曜石ですいたりするだけだから、ま。そうとう痒かったり、べた付かない限りはふた月くらい洗わないと思うぞ!」
衝撃的事実。
女剣士が、あたしの頭を嗅いでる。
臭くないかな、だって。
もう、さっき洗わせたろって。




