にゃはは~ 落ちろ、落ちてお願い 4
結論から言うと、これは神が降臨して。
世界を救済するという事業の中で、一番の汚点かもしれない。
記録に残してはダメなパターンでも。
ギルドの編纂室の皆さんは逞しいね。
乙女神による神のぱうぁあ~で、第三都市“ベレズニク”が地図と共に、人々の記憶からも消えた。
ただし当事者たちは消せない。
罪が重いからだと言ってたね。
「不公平です!!」
あたしが吠えると、ブーイングが起こる。
魔神の召喚ポイントはあたしにされていたのだから、これをヤらかした張本人である乙女神にも責任があると思うんですけど? とは言っても、世界の管理者に喧嘩を売ったところで――
『別にその喧嘩、買ってもいいけど。魚卵みたくプチっと潰されるのがオチだとか思わない?』
ええ、思います。
えっと、これはじゃれてるだけです。
向こう見ずな、あたしが全部悪いんです。
◇
事態の収拾は未だ、もう少しかかりそうだ。
先ずは天界の一部において論功行賞が開かれて――魔王ちゃんが、これに「ヒルダと、後輩たちの蘇生だけでいい」と勝手に全て決めてしまってた。この交渉により、ミロムさんは察して何も言わなかったし、エルダーク・エルフの小隊長もだんまりだ。
見苦しかったのは...
あたしだけですね。
「なんか、タダ働きのような気がします。お金ください!! 王冠でもいいです!!」
がめつい。
「言うても、究極の質量兵器でミンチになった魔神はともかくも。ノル・ファールン王国の――スカンジナビア半島の一部が吹き飛んだ罪過はどう責任を取るというんだい???」
ハイランド王国として三国同盟は形骸化してたとしても、約束事は約束で。
これを機に反古と言うのはエルフの心理的にも無責任な気がしなくもない。
侵攻中の手が止まってたのも無視はできないし。
「ああ、其れですか。拳で解決できなかった神さまのせいで」
あたしの返答に対し。
「お前、乙女神さまから殴られるよ?」
幼女ロウヒが囁き。
「セルコット、ブレないね!!」
ミロムさんが感心したのか、呆れたのか。
魂だけだった、ヒルダが肉体を得て帰ってきた開口一番に。
「なあ、セル。ちちを揉ませろ」
壁まで突き飛ばされて、壁ドンだ。
逃げ場を封じられて。
彼女の気が済むまで揉みしだかれた。
「そんな!? セルが雑巾みたいに!!!!!」
この叫びはミロムさんだね。
魔王ちゃんは、引いてるか。
「生き返ってすることがソレか!!?」
「おうよ。じゃ、次は魔王ちゃん...セル・オルタだっけ? ちち揉ませろや」
たぶん、日常が戻ってきたような気がする。