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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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モーさん、動く 4

「緊急避難って、魔王ちゃんに叫ばれたけど、何かあったの?!」

 ミロムさんが戻ってきて。

 その説明を強いられた。

 で、

 殴られ、揉まれ、ぎゅっと首を絞められた。

「なんで、ひと思いにぶつけなかったのよ!! 今の撤退命令で魔神が気が付くかもって。なんで思わなかったのかなあ、ごめん。こんな悲しいことは言わないと思ってたんだけど、千載一遇のチャンスだったかも」

 最後の首絞めは甘い。

 力が入ってない。

 確かに現有戦力を失いたくないための処置が裏目に出る。

 分かる。

 ずっとソロだった訳じゃない。


「魔王ちゃん!!」

 ミロムさんの泣きはらした目が。

 焼け石に水だと分かってる支援砲撃の嘆願。

『喰らった勇者の失う前のスキルがアレの動力源であり、鎧でもある。勇者にはそれぞれ一つの自分たちに合ったユニークを与えてた。それがクリエイトってものなんだけど』

 乙女神が砲撃に参加する魔法使いたちに説く。

 言わせているのは魔王ちゃんだ。



 憑依しているっても、本体とのパスは繋がってるから。

 幽体として身体から抜け出て、現界の他人さまに入ってるわけじゃない。

 何かあったら、ちゃんとサルベージできるよう命綱がある。

 これを魔王ちゃんが握って脅したのだ。


 じゃ、あたしにも魔王ちゃんと。

「ないない。魂の分離は個人として成立して、もう結構な歳月が経ってる。私と、セルの間のパスは糸電話みたいなもんじゃ無く、こう、高次元的なテレパシーなのよ!!」

 言ってることがチンプンカンプンだ。

 本陣に帰還したのちのミロムさんは、どうも喪失してた時間分だけスキンシップが激しく感じ。

 取り戻すように接してくる。

 今も、腕から離れず、魔王ちゃんに唸ってるような。

「――確かに、属性魔法への抵抗が激しく強く感じます」

 エルフだけでなく、他種族選抜の精鋭である魔法使いたちが悔しさを吐露する。

 自分たちは人類最高の戦力だと自負してた。

 金色の首輪が、きらりと光ってた。


 冒険者ギルドのランク制は、強さと言うよりも世界への貢献度と見た方がいい。

 ゴールドチョーカーが真に人類最強だとすると、ドラゴンを素手で殴り殺せるような化け物勢ぞろいになる。

 これはいい事じゃない。

 ギルドが独立した組織であることが創設した、乙女神にとって都合がいい。

『それが、勇者たちそれぞれが獲得した攻撃全般の無効化だ。とは言っても万事すべての攻撃が無効化されるわけじゃない。そんなチート、わたしの首を絞めるような効果も無いからね』

 というと。

『彼らには伝えなかったけど。蓄積された攻撃の一定ダメージ値を超えた攻撃は通るように設計されてある。平手打ちも何度と喰らえば、頬が腫れて赤くなるように。ちくちく爪楊枝な攻撃も針孔でも通すほどの痛みに変わる...』

 その数値が見えない。

 希望はあるけど、絶望はぬぐえない解説。

『故の星落とし』

 おお、なるほど。

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