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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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乙女神曰く、さあ、狩りを始めましょう 4

 いっしょくたに集められた英雄たちはもとい。

 ミロムさんとエルダーク・エルフの小隊も、魔王ちゃんの放った強力な催眠魔法チャームに当てられ、一心不乱に駆け出してた。こう、まるでゾンビが獲物でも追い立てるような、そんな。まさにそんなシーンで“わらわら”と走り出してたんだわ。

 ああ、ちょーまってー!!


 エルダーク・エルフたちの主人は、もともと魔王ちゃんだし。

 彼らにチャームは効かない。

 ただし催眠魔法とともに強力な命令オーダーが掛かってれば別だ。


 次点でミロムさんを守ってくれるとは言え。

 それはあくまでも()()()という順番でしかなく。

『ミロムは保護せよ!!』

 よく通る魔法の声音で、魔王ちゃんが追加の上書き命令オーダーをエルフ達に与えた。

「ありがとう」

 これは心からの感謝。

 テレパシーか或いはソウルメイトのようなパスの繋がりか。

 分割される前からの腐れ縁か。

「いあ、セルの友達は私の()()()()()()。気にすることはない、配慮の足りない命令だったことに深くお詫びする」

 そんな他人行儀な。

 あたしと、魔王ちゃんの仲じゃんよ。



 高台から人々の賛歌を受けて。

 乙女神に身体を乗っ取られたロウヒは、神格に注がれる()()に震えた。

 憑依されているロウヒも同じ体験をしている筈だから。

 この麻薬のような興奮の渦の中だろう。

「で、」

 終焉の魔女たちの役目とは何か。

 はっきりとした記憶や知識はない。

 世界をいた時は、魔女はひと柱の妹神であったし。

 それまでの世界において。

 戦神や戦乙女とも崇拝されてた、対象者でもあった。


 故に――


 終焉の魔女という、個人では扱いきれなかった自然への干渉とか親和性に目を付けた、ひと柱と契約して他の男神たちを一掃したものと考えられる。その後、乙女神はすべての神々の功績を独占して――。

『なーんだ、其処まで知ってるの?!』

 ふてぶてしい表情だ。

 こういう顔は知ってる、ドヤってるんだ。

妹神あんたはさ、お姉ちゃん子だったからね。この世界に神はいくつも要らないんだよって、囁いたら、あの害虫どもを一掃してくれたんだよね』

 女帝からも『最低』って言葉が漏れた。

 ああ、悪ぶってる感じがするけど、最低だ。

「魔神として降臨させたアレはどうやって倒す?!」

 そう、そこ。

 魔女たちの力を再び、あたしに結集する?

『自殺して契約は継続中だろうけど、パスが繋がってない。集めるというより、集めた英雄たちにバフで貸し与えるのが役目になると思うよ。まあ、』


「まあ?」

 ハモる女性。

 そこにあたしも含められてる。

 駆け出して、チャームも切れたミロムさんも。

 振り向きざまに。

 エルフの小隊長さんとともにハモってた。

『ま、今までため込んでた魔力は生命力でもあるし。寿命が縮むか、或いは老けるかもしれないって』

 いやああああって声が上がる。

 そりゃね。

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