表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
476/514

乙女神曰く、さあ、狩りを始めましょう 2

「ハイランドの王よ、女帝よ!! 我らに指示を!!!」

 光の柱が立った後。

 神々に招聘されたと感じた英雄たちは、その場の雰囲気に『自分なり』の答えを導き出した。

 魔神大戦の趨勢は、ハイランド王国の女帝が握っているのだと。



 うらを返すと。

 女帝リヒャルディスにとって、生涯最大のピンチである。

 典型的な温和なエルフ民族の塊みたいな人。

 それこそ、本来の女帝の姿なのだ。

「え?! えー、」

 嫌だーって口から出そうになった。

 ああ、分かる。

 しなびれた茄子みたいだった、あたしも。

 こんなシーンで振られたら逃げる。

 そりゃあ全力で。

「あー、もう」

 魔王ちゃんが口元にハンカチーフを当て。

 何度か咳払いをしたのちに。

『貴様らに防御魔法をかけるから、勝手に特攻しろ!!』

 言い方。



 魔王ちゃんは声音を女帝に寄せた言葉で。

 冒険者たちを鼓舞して回り、男の子のMっ気を叩き起こしていく。

 目覚めた子たちは...

「これ使い物になるの?!」


「大丈夫、魔女たちがある」

 こっそり逃げようとしてたのを捕まえて。

 あたしと両者に気まずい空気が流れてた。

「あたしらをどうしよってんだい!!」

 代表者は一番の年長者で、魔女と言うよりもアマゾネスのような方。

 こう、筋骨隆々でちょっと鬼人オーガっぽい。

「えっと...みなさん、終焉の魔女で間違いないですか?」

 あたしの記憶をたどればいいんだが。

 申し訳ないけど転生する以前の記憶は、ほぼない。

『転生する気もなくての自殺に近かったからねえ~』

 ほえ、あ?!

 変な声が出ちまった。

 乙女神はロウヒの声と、身体を借りて降臨し。

 再びあたしらに遭遇してる。


 まあ、埒が明かないってのもあったんだろうし。

 見てるだけってのも性に合わないのかもしれない。

「あたし?!」


『そ、()の妹神だった、あんたが。血の繋がりもあって、ほぼ一緒に天界へ上がったのに。お姉ちゃんを見捨てて死のうとしたんだから、そりゃお姉ちゃんが手を差し伸べるってもんでしょうが!!!』

 まな板だと、ヤジってた人が。

「昔のことだから、セルは気にしない。今は、セル・オルタ、私の()()()恩着せがましくちょっかい出すな!! この偽善者が」

 魔王ちゃんが怒ってる。

 こう、非常に激しい炎の感情がドス黒く渦巻いてるような。

『まだ、根に持つかあ』


「ああ、持つね。魔女探しに行かせた兆しも、あの攻撃からセルをあの地から遠ざけるためだろ!」

 はて。

 何に怒ってるんだろう。

 ロウヒは肩を竦めて、小首も傾げた。

『予測は出来なかった。勇者の権能か、土地神としての結びつきか、或いはそのすべてか』

 号令とともに第三都市だった地に向かう冒険者たち。

 乙女神の権能で、いや都合上だろう。

 神は世界のあっちこっちで私利私欲の戦争に辟易してた。

 ついでなので...


 戦争してた連中のすべてを、

 一切合切を魔神の足元に召喚したところだ。

 “紫水晶アメジスト”の宗主が、中央大陸で画策してた大帝国建設のための侵略戦争も。

 すべて、ここへ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ