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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
473/510

さあ、終焉の魔女たちを探そう

 そうは言っても。

 魔王ちゃんの足元に()()()をみつけて、魔女ロウヒが抱え上げる。

 おっと、何か獣くさい子が。

「これ?!」

 鳥、ぼんじり... せせりの香り。

「ああ、それはね。世界をいた魔女の抜け殻。ばっちぃからロウヒちゃんの小さな手が」

 魔女と言うには幼く見える、幼女...ロウヒ。

 おっと、その子は終焉の魔女じゃなか。

 いあ、いあいあいあ...。


 ちょ、ひどくない。

「...み、みず..、水をください」

 心の中で思ったことは、憤ってみせたかったし。

 そういう怒りに満ちた言葉をつづりたかった。

 でも、でもね。

 こんな状況では、、、、

「み、みず。水をください」

 しおれた茄子の最後のことば、さね。



 あたしは一命をとりとめた。

 もしもこの身体で死んだら、どうなるのだろう。

「仮にそうなったら、居候が居なくなった()()じゃないかな? 身体の生命機能を速攻で回復させなくちゃならないけども。霊体として魔王道を歩む予定だったセルコット、私が、ついに受肉したー!!って宣言できるかもだよ、さあ、早く身体を明け渡せ」

 出ていけ居候って言われた気がするよ。

「そんなあ~」

 とりま。

 抵抗だけはする。

「そんな漫才を見に来たわけじゃないぞ?!」

 女帝は待たされてた。

 紹介されるタイミングを、だ。

 もちろん、ポンコツになったとは言え、エルフの御伽噺に出てくる最強の魔女。

 世界を嫉妬と狂気でいた女。

 魔女に紹介されるのを。

「女帝です」

 え?


 は?

「ちょ、ど、どこ、え、えー???」

 混乱するふたり。

 ああ、女帝リヒャルディスさんが可哀そう。

「雑、雑だぞ、魔王よ」

 魔王ムーブだから、セル・オルタの姿勢はそれでOKなんだけども。

「リヒャルディスって欲しがり屋なのかい?」

 この場に“煙水晶スモーカー”の賢者が居なくてよかった。

 こんな姿、見せられないよ。

 権力者を弄って楽しむオルタの姿とか。

 他人に見せちゃダメなヤツだ。

「ほ、欲しがり屋、で、では、ではないのだが」

 モジる。

 こうくねくね。

 幼女ロウヒも、大叔母と同じようにクネってた。

「――ねえ、セル? あのダメ神、何やらかしたの??」

 素に戻った魔王ちゃんが問うてきた。

 萎れた茄子になり果てた、あたしを見て確信はしているけど。

「あたしを終着端末に使いやがった」





 分かってるさ。

 何をされたかなんて。

 ポータルを開くには、開く場所とつなぐ場所が必要だってこと。

 失われた言語の強制召喚でなければ、通常の召喚には拒否権がある。

 もちろん、力量差が問われるわけだけども。

 神に戻ろうとしている者と、世界の管理者である者との違いは歴然。

 邪神の崇拝者たちの目の前から忽然と消えたことも踏まえ。

「で、魔王ちゃん... 終焉の~はまだ、必要???」

 光の向こう側に集められた強力な戦力。

 ロウヒの口を借りて――

『大丈夫、大丈夫! そこらへんに隠れてた魔女いもうとの協力者たち... いあ、同窓生たちは見つけ出して集めておいたから。あとは好き放題やっちゃって!!!』

 乙女神のヤツめ~

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