表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
471/510

厄災の魔獣と、13英雄たち 9

 英雄候補のゴールドチョーカーたち。

 世界各地からとてつもない方法で、魔法使いの使い潰しを行って集結させられた。

 術者だけならば記録保持させた“タリスマン”で放浪したことのある地を目指してひとっ飛びぃ~なんて芸当も可能なんだけど。それでも、犠牲にする魔法石や触媒、自身の魔力オドの限界まで絞り出さなければならない。

 魔法による空間移動法ってのは『じゃ、いっちょ行くかー!』ってノリでは出来ないってこと。


 ま、うちの魔王ちゃんは出来るのも不思議な子なのだ。


 さて。

 世界中から力ある者、才ある者、なにもかもすべてにおいて優秀な者が集められて――

 約千人。

 たったこれっぽちと言うなかれ。

 これでも無名の英雄みたいなのは選抜されている。


 すべては乙女神の()()のついた、世界屈指の有名冒険者たちである。

 ――ゴールドまで上り詰めて、

 いずれかの協会・教会に認められると、プラチナになる。

 そこまで上り詰めても、冒険者の上位ってわけじゃなく、所謂、箔でしかないが。

 腕っぷしはゴールドだってこと。


 ゴールドこそ人類の頂点なのだ。

(それらを踏まえて――


 プラチナ・チョーカーは世界に数人、いや数十人か。

 ゴールドほどの実力ある冒険者が多大な功績を打ち立てた者のみに与えられる勲章とか。

 そういう意味で。

 そんな実力者には二つ名が用意される。


 自称してもいいけど。

 あ、あたしのは...え、えっと。

 じ、自称じゃないよ。

 呼ばれたんだ、仲間内というか、盗賊とか... あ、悪人たちから。

 火炎球ばかりぶっぱするから、さ。

 “火炎球の魔女”って。



 王都アルハンゲリスク、王の館。

 王なんていう為政者はいないけど、部族長の合議制ではなく『スケープゴート』としての王はつくっておくべきだったと、彼らの脳裏にはいつもそれが過っている。

「いや、こうして未曾有な状況だから責任逃れに考えるのであって、平時においては()()()()だって派閥を作って牙をむく。いずれにせよ、現実のこのような時でも誰かの足を引っ張りあう円卓であるならば... これはこれで機能するってことだ」

 太い腕を組み、長く剛毛な口ひげをたくわえたドワーフが、つぶやいた。

 まるで独り言を装ったように。


 牽制だ。

 こんな事態の抜け駆けは、事態を収束させる方ではなく。

 いち抜けに近い。


 乙女神の言葉を代弁する巫女も招かれ――『これは人類せかい存亡に関わる重大な局面なのです』と告げたことによるもの。

 獣人や亜人あたりから、

「俺たちは人類じゃないよな?」

 ってささやかれる。

 ギルドは首を振って、否定した。

「妖精も、も、か、関係...」


「無いわけないでしょ。狂気の魔女は――そうですね、世界に楔として放たれた仮の姿。こことは別の世界から邪悪で凶悪な恐怖という塊から現出した、悪しき大王そのもなのです!! ですから例えば、目についたエルフであろうと、あるいは地を這うドワーフ、ノーム、ゴブリンであろうとも関係なく。すべてを焼き払うでしょうなあ」


 うっわ、おっかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ