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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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厄災の魔獣と、13英雄たち 6

 天界に呼びつけられたのは、あたしだけじゃなかった。

 魔王ちゃんも。

 風呂場で()()()してるトコで召喚。

 首を傾げながら、乙女神と対面のお風呂タイム。

「何してくれてるのかな?」


『何とは?』

 このダメ神が。

 魔王ちゃんの感想で、決してあたしのじゃない。

 これで天罰食らったらたまったものじゃないし。

「風呂、しかも女神と裸の付き合いとか、最悪じゃない?」

 嫌悪がすごい。

 世界をいたのは、あたしであって。

 魔王ちゃんこと本物のセルコットではないんだけど。

 この子は物怖じしないというか。

『神様エキスがお湯に染み出してると思えば?』

 あからさまに険悪な表情に変わる。

「乙女神自身で昆布か鰹節になった気分なの?! マジで、そんな出汁の出た湯に浸かりたくはないわ!!」

 セルコットの中に不純物が混じることへの嫌悪。

 ひいては...

 身体担当のあたしに悪影響が出る。


 あー。


 どうだろう?



「で、何の用?」

 湯船から退散した魔王ちゃんは、べつの水風呂へ。

 天使たちが霊泉とかいう湧水を汲んで、貯めたものだというので入ってみた。

 神のしつこい汚れが洗い流されていく気分に。

『それ失礼じゃない?』

 神の汚れ?

『そそ』


「やかましい! 要件を言え、要件を」

 せっかち、でもない。

 意識だけが天界にあるのだから。

 仮の肉体は今も湯船につかってるわけで――逆上せる。

 最悪、受肉してた()も死ぬ。

 肉体提供の敬虔なるエルフだが。

「最悪霊体でも、いっか」


『そえは良くないよ!! 良くない』

 乙女神は提案してきた。

 荒唐無稽だと突き放すつもりで最後まで耳を傾けてたけど。

 よくよく考えてから、小さく頷いてしまってた。

 いあ、納得しやったのだ。




 神の提案は、

 信者たちに与えない奇跡を――

 貯めこんでた神通力の一部を使って。

 “邪神”を転移させて、狂気の魔女として打ち倒そうという案である。

 すでにその布石はギルドを介して打ち込み済みで。

「天才かよ?!」

 見直したわけではなく、とびきりに驚いてた。

 乙女神のもう、ひと柱である妹神のほうをだ。

『え?』


「なにすっ惚けてるんだよ。竜を御してる妹神の存在はセルの中で知っている... 天界に戻らず方々、ずっと旅行ぶらぶらしながら人界にあって、人々の幸福を願ってるとかって出来た子なんだろ?」

 魔王ちゃんの中では評価高いけど。

 あたし的にはそこまでじゃなく。

 ぶっちゃけ、三姉妹の中では...

 家出したまま帰ってこない、放蕩娘のような。

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