表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
465/510

厄災の魔獣と、13英雄たち 3

 冒険者ギルドは乙女神の意向を忠実に実行するための機関で。

 正教が行ってる託宣の儀は、ぶっちゃけると“盗聴”である。

 多くの巫女たちはフィーリングという周波数の調節によって、女神の声を傍受しているのだという。

 この戦いが1000年以上も続いてる。

 最初の預言者こそは、女神もギルドに至る前なので。

 方々にチャンネルを開けてたっていうけど。

 一方的に閉じたら、こういう事に。

「そりゃそうでしょ?」


『なんでよー』

 分かんねえのかよ。

 神さまの声を賜るというのは特別なことだ。

 隣人の声に耳を傾けるのとはわけが違う。


 また。

 神代の御世。

 神さまが地上でも闊歩してた時だって、神さまと()()()って分けられ隔てられて種族にしてみれば、だ。やっぱり彼らの声を聴くことが出来る者は特別だったに違いない。

『お、なんか... セルちゃんのわりに雄弁だなあ』

 あたしだって分かるよ、その気持ちは。

 まあ、恋焦がれるという感覚に似てるだけで。

 まったく手が届かない相手だから、もう少し違った感慨なんだとは思うけど。

『なるほどね。あ、でも、一方的に閉じざる得なくなったのは()()()にも責任があるんだよ?!』

 またまた。




 いや。

 あった。

 乙女神は、人々に善行を積むよう促して――多くの知識を託した。

 世界にただ()()()の主神となった後は手探りの世界運営なので、ちょっと甘やかしすぎたのだという。

 すると、種族すべてが生意気になったのだという。

 ま、まあ。

 なんかわかる。

『で、世界が今一つ纏まるために』

 うん。

『セルちゃんに、さあ。いっぺん死んでもらいたいなあ、と思うんだけどさ、いっかな?』

 は?


 乙女神の満面な笑み。

 眩しくて、眩しくて。

 光、後光が煩い。

『後光が煩いって、はじめて言われた!!!?』

 ちょいちょい、他人ひとの頭から会話を抜き取るな。

 ま、考えるだけで会話が成立しているのは有り難いが。

「なんで、死ぬ?」

 そう。

 なんで殺されなきゃならない。

『何でって、今、こうしているうちにも世界をいた魔女の再来として。世界のすべてから最大戦力が()()に集結しようしているっていうか、仕向けたから!』

 言ってやった的なドヤ顔の腹立つこと。

 食事しながら口の葉を紡ぐと、くちゃくちゃ嫌な音がでるし、口の中のものが飛んでくる。

 これは真似しないようによう。

 反面教師ってヤツだ。

「仕向けられた理由は聞くのが怖いので。率直に問うよ、その行動は... あたしたちが抱えてる“島大陸”の問題に対処してくれるってこと?」

 終焉の魔女が必要になった時点で世界の問題とも言い換えられる。

 魔神の復活が近いのだし、その片鱗は各地の異常さに起因する。

 乙女神は手元のナプキンで脇を拭って、匂いを嗅いで――小さく頷いてた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ