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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
457/510

あたしたちは、目立ちたい 5

 あたしの特攻は女帝陛下の承認により、一応、バイトとしての体裁は保っている。

 “エルフを迫害すると、狂気の魔女が来るぞ”

 これは大きなネームバリューとなって、少なくともハイランド王国に『仲裁』という依頼クエストが発生するまでに育ってくれたのだけど。ここでひとつ問題がある――ゆかいな魔獣団サーカスという副次的産物のことだ。

 別にあたしが率いているわけじゃないし。

 テイムとかヤてるわけでもない。


 勝手に何処からともなく湧いてきて。

 多種多様な動物園オリエンタルパークに成長した。


 あたしの恩恵は、

 あれだ。

 狂気の魔女の眷属が()()()()()()()って。

 泣く子、悪戯っ子を諫める時に使うようなストーリーが根付き始めてて。

 エルダーク・エルフ小隊とミロムさんたちには、食料として大いに役立ってくれた。

「これ? コカトリスでしたっけ...」

 大腿部の肉を豪快に特製の塩釜焼きにしてみた。

 筋肉質で硬そうなイメージがあったんだけど、いや、これはなかなか。

「それキメラですね。自然繁殖したっぽいようですが。こちらの胸肉は鳥と大差ないみたいです」

 そうそのキメラ。

 ミロムさんの舌を唸らせるのに十分なジューシーさで。

 腹部のハラミは程よく脂が乗っているとのこと。

 生活魔法の弱火でチロチロと炙って平らげてた。

 肉ばかりではバランスが悪く。


 エルフたちの嗅覚で、

 森の中から植物系モンスターを討伐。

「アルクダケの亜種、エリンギをゲットしましたよ。あとは、邪眼キャベツに300(スリーハンドレッド)レタニオス...」


「れ、レタ? え?」

 300レタニオスっていう葉物野菜。

 徒党を組んでるように見えて、地中深く根で繋がった()()()のモンスター。

 中心の大きな一株が司令塔になって、一糸乱れぬ集団戦闘を組んで攻撃してくるので。

 まあ、英雄レオニダスにちなんで。

 エルフが勝手に命名した、シルバーチョーク冒険者でも苦戦するらタスである。


 邪眼キャベツは。

 あたしも好物な野菜のひとつで、こどもの頃はよく採集にいったもんよ。

 焼かないように採集するのがムズいだけで。

 気を付けることは、邪眼によるスタン攻撃を貰わない事。

 これさえ気を付ければ...

 あれ?

 あたしは貰ったことないか。


 スタンっても親株じゃなければ、しびれる程度だった筈。

「痺れる?!」


「いや、痺れる程度なのは耐性があるか、一度貰ったことのある狩人だけですよ。親株の方は“石化”させにくるんで気安く取りに行けるモンスターではないですけど、これがですね!! 葉を湯にくぐらせると青くなるでしょ?」

 ミロムさんがキャベツの葉を毟ってる。

 これの壱枚を湯にくぐらせると確かに青くなった。

 キレイな緑色だ。

「それで齧ると、甘いんですよ!! 芯に近いところに新鮮な邪眼があって。こいつは蒸してよし。焼いてよし、煮込んでよしの蜜の塊でしてね」

 ふかした芋のような触感があった。

 ああ~

 あたしも食べたいよ~

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