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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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あたしたちは、目立ちたい 2

 さて漠然とした問題だが。

「目立つってのは、どうしたらいいんだろう?」

 よし、主題だぞ。

 さあ、意見を聞かせてくれ。

「とりま、ハイランドの悪評にしましょう。かの女帝はエルフを殺されて怒っているのだと」

 流布でもよさそうだけど。

 すでにそうした跡地がある。

 これに尾鰭をつければ勝手に。

「そうでもないですね。あれだけの高火力の戦場から生き残ってとなると、とてつもない幸運の持ち主だって言ってるようなもんです。噂を流布する意図が丸わかりなので、ハイランドの沽券... たぶん再起不能になるかもしれません」

 アレは、どこの国も手柄にする気はないというのだ。

 爆心地にあった種族は間違いなく絶滅まっしぐらだろうし。

 口の葉に乗せたくも無いだろう。


 ん?

 それ、なんか不味くね???



 あたしの細やかな戸惑いを汲む小隊長。

「――ですから女帝が釘を刺したんです、()()()は自重を知らなければならないと。何でも高火力の火炎球でOKという考えを先ずは、改める必要があります。ただし、これに変わりが出来るエルフは現状、あなたしかいないのも事実、分かりますか?」

 エルダーク・エルフでもいいのでは?と思った瞬間に、そらされた気分だ。

 彼らは堕天騎士の従者で、ハイエルフの別側面のある種族。

 忌避された属性の魔法を好んで使う者たち。

 バッチリではないか!!

 そう思った。


 だから。


 いあ、小隊長がアスパラを横に振った。

「火炎球の魔女は、この大陸においては無名です。...誰も知らない、他の大陸は知りませんよ、もちろんね。あの島大陸に出稼ぎに来てた者か、或いは冒険者ギルドで『噂』の管理がなされてた場合。我が小隊がセルコット嬢に成り代わって言い触れて回ったとして... もう理解できましたか?」

 いいや。

 ミロムさんが耳の傍で。

『セルの名を騙るダーク・エルフが捜査線上に上がるだけ』

 ん?

 ミロムさんは徐に俯いて、顔を影に落とした。

 こりゃ、呆れちゃいました。


 あたしは。

 オツムがちぃーと緩い。

 こら、下も緩いとかいうな!!


 と、いうか難しく考えると頭が痛くなるので、考えるのを止める傾向だ。

 直した方がいい癖だって分かってるけど。

 ふん、其れも諦めた。

 ぜんぶ、ぜーんぶ、捨てたのさ。

 はればれ~


 だ~か~ら~、教えて?


「これが、魔王さまの... その、本来のお姿なのですか!!!」

 小隊長がミロムに詰め寄っている。

 いあ、彼女は知らんだろ。

「ちょ、ごめんなさい。財布に穴が開いてると同じように、ちょっと弱い子なセルしか私は知らないので。魔法学校に通ってた時、通う前は...たぶん、反転している方に聞いてください」

 ま、まあ、そうなるだろ。

 あたしは~


 自身で考えるよりも、手が出る行動派で。

 ヤらかしたら言い訳するよりも、逃げることを優先するタイプだ。


 うん、最悪にダメなヤツだ!!

 今、自覚した。

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