表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
411/510

聖女連合軍、立つ! 6

『一刻の猶予もない』

 勇者の消滅と世界の命運。

 天秤に何を乗っけてるんだ。

『っ、もう。これでもうちょっとは焦ってくれても良くない!!! いい、勇者のひとりが“座”に戻ったのなら、こちらのことわりの縛りが弱くなったってだけで大した問題じゃあ、ないわけ。でも、これ、消滅しちゃったから...』

 更に魔王ちゃんが補足してくれた。

「邪神の残滓が当てずっぽうに探らせてた遺跡の中に、自身の信者らが創造した生贄の祭壇を見つけた。強く念じ、想像し、崇拝することで空虚な妄想からでも“神”は生まれるってのは、神々の世界では常識でね」

 ん?

 じゃ、じゃあ、紅の後輩があたしの洗濯物を後生大事にしてるって話。

「ひとり信者じゃでは発生しないけど。イキガミとしてのセルがいるし...もしかすると祭壇に、ね。いるかもだね!!」

 全然、嬉しくないんだけど。



 想像してみよう。

 祭壇に祀られてる“あたし”は、果たして服を着せられているのか、素っ裸なのか。

 後輩のことだ。

 ま、きれいさっぱり全裸で間違いはない。

 神さまをオカズによろしく妄想して――

 たく、なんてことだい。


 じゃ、じゃあ。

 あたしは何の権能を持つって言うんだ?!

 パンツで生まれた神さまだろ。

 洗濯物を奇麗にする御力。

 ま、それは悪くない。


「セル? バカな思考を駄々洩れさせないで。わたしも共有するから」

 あ、ご、ごめんなさい。

「――っでも、女神」


『そこは敬う心をもって、乙女神か...あるいは、お姉ちゃんでもいいんだけど?』

 どの口が言うか。

 全知全能を気取って、あたしを“まな板”呼ばわりしてたじゃんか。

『いあ、セルちゃん()()()に睨まれると、なんかテレちゃうなあ。あ、でも、でもね、世界の天秤が傾いたのは確かなの!! 平和か、或いは戦争か。...た、確かに戦争は方々で起きてるけど、地上に息づくそれぞれの種に関わる大惨事ってのは、さ。終末な訳で』

 もやっとしてんなあ。


「まあ、要するに。世界は生まれた瞬間から常に膨張し続けてるんだよ。こう、豚の腸袋に肉じゃなく息を吹き込むように、ぷくーって。いつかはその膨張効果が無くなる時が来る!!」


「そっか、破裂しちゃうもんね!」

 あたしにしては冴えてた。

 ま、“魔王”ちゃんに誘導して貰ったからだが。

 確かにいつかは終焉が来るんだろうけども。

「それが今! ぢゃないってこと?」

 乙女神は激しく否定した。

 ゆたかなたわわを揺らしながらだが、こいつは喧嘩でも売ってるんか。

『ちょ、殺気、殺気が怖い。ほ、ほら、女神のプレゼンには殆ど裸体っぽい服装は必然なの!! えっと、ホタテ貝だかアコヤ貝をバックに、大事なとこだけ隠して信者の前に現れるのに... 貧相だと勃た無くなるでしょ? こう、創作意欲と言うのがさ』

 こいつはグーで殴り殺す。

「セル、ステイ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ