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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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聖女連合軍、立つ! 2

 さてどこから。

 勇者が召喚された時、教会には乙女神の行動を監視している者たちがある。

 世界を見通す為の特殊な能力とスキルに目覚めさせた、特別な人々――当人の目を覆い隠して、額に見開いた目の入れ墨が施された女性たち。

 両腕を肩から落として、蛇か獣かのキメラにさせられた者たち。

 知覚に全振りしたような偏ったステータスだからこそ、神々の行動を顕わに出来る。

 まさか。


 そのまさかな、能力者が叫んで告げた――勇者が、消えた。勇者が死んだ! と。


 勇者の存在は。

 この世界に“神”が()()という具体的な例だ。

 教会は召喚された勇者を象徴として守る義務が生じる。

 と、いうか...


 その象徴こそ、神秘なのだと考えている。

 女神正教会の神秘の隠匿。

 乙女神が何故、召喚したかの目的も知ってて隠匿しようとした結果。

 人知れずに勇者は誘拐された。



 ちょっと待って。

「っ、待てよ?! 正教会は勇者が召喚された目的と、存在、または召喚された()までもを正確に把握してたって事か!!!」

 ヒルダさんの上半身パジャマ姿。

 ワンピースみたいになってるから、びしょびしょに濡らされたズボンの代わりを履かなくてもセーフ。

 今は自前の見せられないショーツだけだ。

「ええ、正確と言っても。誤差くらいはありますけど」

 蒼炎は口をとがらせてるけど。

 紅は饒舌だ。

 黙してやり過ごす場合じゃなくなった。

「しかし、何故、話す気に?」

 ミロムさんも問う。

 神殿騎士の老騎士長なんかキョロキョロしてる。

 話についてけないどころか、状況にもついてけないようだ。

 気が付いたら冒険者も混ざってるし。

 大所帯になってた。

「ちょ、ちょっといいか?」

 冒険者のシルバーチョーカーさん、はい。

 挙手制じゃないが。

「正教会が神にも疎まれてるのは、神秘の隠匿だと思ってたんだが?」

 それはひとつの側面みたいなトコだろう。

「私たちも、枢機卿によって働かされて側だから詳しくは知らない。()()を介して、乙女神の行動の一部が見えるというのなら... 話は別かしら」

 尖った口で、蒼炎が告げた。

 彼女も2度、風呂に入り直して――

 ヒルダさんみたいなパジャマ姿だ。


 これ、何着あるの?

「セルは黙っててね」

 魔王ちゃんに『肩をポンポン』された。

「先輩に隠し事が...... したくなかった、から」

 後輩が帰ってきた気分。

 こんな事件に巻き込まれるよりも前。

 あの街でバカをしてた頃の。

「――それと、勇者召喚の目的が世界を正すものだという事です」

 正す?

 邪神は目の前の脅威であろうから当然、討伐対象だろう。

 あとは...

 あたしの目が魔王ちゃんに向けられる。

 彼女は微笑みを浮かべて、口元にひと指しゆびが立つ。

 あ、これ“しぃー”ですか、そうですね、はい。

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