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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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聖女連合軍、立つ! 1

 教会は諜報事として修行僧や修行尼を使う。

 各地で托鉢を行って。

 人々の噂話を集めるのが仕事だ。

 噂話だって煙の立たないところからは、勝手に生まれやしないのだから。


 ()()()()()()()


 から尾ひれが付くので。

 こうした話は集める側にとってはかなり重要だ。

 遠見の手鏡なんかで枢機卿に報告するのだけど。

 さて、ここからが問題です。


 教会は何処まで把握しているのでしょう。

「そうだ! 早く言わないと、先ずは腰から砕いてやろう!!!」

 結構、物騒な話に聞こえるけど。

 これは風呂場を遮った布壁の向こう側でされるがままの、蒼炎とヒルダさんのえちちな駆け引き。

 蒼炎だって指技に賭けては教会随一。

 再教育だと言って、我儘な巫女を一晩賭けて、篭絡したという伝説がある。

 ただし、基本的に彼女の場合はマウントを取ってからが多かった。

 じゃあ、逆の立場に成ったら。

 紅の後輩とも攻守を替えて舌技と指技の耐久に挑み――ともに翌朝まで耐えたけど。

 あたしが聲を掛けに行ったら、果ててた様にしか見えなかったんだよね。

 本人たちは頑なに違うって言い張ってたなあ。


 懐かしい。

「ほーら、身体は正直だなあ」

 耳元での言葉攻めだな、アレ。

 内太ももに膝が入って身じろぎも出来ずに、谷を攻めてる。

 ひと指しゆびと中指に、粘っこいお汁が...

「これでも未だ、か?」

 膝がガクガク鳴いてる。

 腰がひとつ下がったところで、ヒルダさんが膝で支えてくれて。

「おやあ、わたしの膝に暖かい露を感じるなあ」

 それ以上は後生ですよ。

「ちょ、ヒルダ様っ!」

 後輩が彼女の袖を引いた。

 ああ、同僚として見ていられなかったのか。

「教会は勇者の誘拐をはじめから知ってました」

 吐露した。

 頑なに口を噤んでた魔女の頑張りは泡と消えたけど。

 後輩ふたりは、他者を篭絡するほど経験はない。

 だからか。

 蒼炎が失神すると同時に漏らしちゃってて。



 冒険者ギルド派遣チームのリーダーも、あたしらの会合(情報のすり合わせ)に参加してくれた。

 彼らは『乙女神さまから、正教会と距離を取れと』言伝を得て行動してた。

 聖女のセルコットを頼れとも言われてたけども。

 そこに教会の手先がべったりだったので、言伝の方を優先したのだという。

「それ、正解!」

 師匠が指さして、冒険者に肩入れする。

 教会のすべてが『悪』みたいなものじゃない。

 ただ、権威が皇帝や、国家を凌ぐような時があるから嫌われるのだ。

 特に戴冠式の時とか。

「それは...」

 国民から王家がどう見られているのかとか、或いは王権を得るに当たり『神様から祝福された、絶対君主である』と、広く他国にもこれぞ正統なる継承であると、知らしめる必要が時代ごとにある。

 教会の()()()()を利用した時から、王権が人の世界のものじゃなくなった。

 もはや鼬ごっこみたいなもので。

「だけど、情報の隠匿はしてた?」


「はい」

 神殿騎士たちは、置いてけぼりの高度な政治。

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