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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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ゴルゴーンと、 3

 結社の組織力は容易には測れないけど。

 ゴルゴーン族の活動によって――「大狼イヌの匂いを嗅ぎ分けられる狗神イヌがあるようだ。我らにはとんと区別がつかないのだが、貴殿らなら何か心当たりはあるのだろうか」と、切り出されて。

 アイヴァーさんが腕を組んで。

 そらを見た。

 別に隠している訳じゃない。

 シグルドさんが、

「どのコミュニティにでも僅かにあると思うが、彼らが自称して“()()”と名乗るのであれば、それらは郷抜けの者たちだろう。秘密結社以前に、騎士団との戦いは数世紀にわたる。長老の言葉を借りれば、時代ごとに手先となる結社が存在するのでイタチごっこだと」

 二度と郷には戻れないと迷いを断ち切って、任務に挑むと誓って旅立った。

 そんな決意も時として揺らぐことがある。


 それが()()()って行動に走る訳で。

 きっかけは疲れた心の拠り所を得たり。

 家族成してしまったりと、様々だが。

 ツーマンセルの相棒以外の接触が限られている環境だからかもしれない。

 相棒の死に別れや、別離などはストレスが溜まる。

 頼れる者が居なくなった片方に結社から声が掛かるのだ――「ともに理想郷をめざそう」とか。



 一見、甘い言葉のように聞こえる。

 疑う力が無くなっているか、或いは疑う相手が挿げ変わっている時では効果的な言葉だ。

 結社の持つ知識と技術力によって。

 魔狼族の族長が、郷民に秘匿していた“()()()”が解放され、覚醒に至る。

 ノーライフキングに抵抗する強靭な顎と、四肢に鋼の爪。

 寿命を糧に、如何なる武器にも耐性がある鋼の肉体が得られるようになる。


 魔狼の戦士は70年で寿命を迎える。

 生涯の内で、獣化しなければ80年は生きられるが。

 生まれてから50年で一気に老いが始まると言われていて。

 現役でいられる時間は短い。

 また、

 人狼の戦士は50年で寿命を迎える。

 こちらも獣化しなければ10年は長くなるようだけども、肉体の老化速度は1年で2~3歳は老けるようになっているという。

 これは、魔獣よりも高い知性と運動量によるものだという。

 神々からの呪いだとかで口伝されている。

 結社ではエルフの不老化とともに研究されているようだが。

「郷抜け、か」

 リミッター解除された猟犬たちは恐らく、ピーク時10数年といった処だろう。

「今、西に聖女。東はゴルゴーン族に、天界には我儘な乙女神が居る状況ですけど。オオカミさんたちはどうします?! 無事な郷を探して彷徨うか、或いはマディヤさまとその知識を頼りに結社の駆逐に乗り出すか」

 ナシムの言葉は、まあ。

 リーダーの姐さんから借りたもの。

 戦力は高い。

 ふたりで調査するよりも、人手は多いけど。

 大所帯になると他人ひとの目を惹きやすくなる。



 とは言っても、今更、あたしたちの下へ行く! とか選択されても少し困るかな。

 なにせ教会と冒険者ギルドですでに大所帯である。

 しかも、険悪と言う、空気は最悪なのだ。

「追われてるからな、決断は早い方がいい」

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