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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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サマースティプル平原の戦い 3

 平原の戦いは、4日目で征伐軍の崩壊とともに決した。

 征伐軍には2回の兵が投入された。

 が、有効に活用できないまま、瓦解したって話。



 本陣は元あった地から1里半ほど下がっている。

 そのために予備戦力が投じられ、自慢の重装歩兵の墓標が眼前に広がってた。

 ああ、ゴーレムも投入されたけど。

 結論から言うと。


 焼け石に水。

 征伐軍にとっては切り札に違いなかったのに。

 黒色騎兵との相打ちが出来たくらいだ。


 あの一方的な蹂躙が無くなっただけで――いや、それは単に戦端を開いた序章に過ぎず。

 公国に与した結社の魔法士たちによる、支援攻撃が厄介だった。

 兵力差がみるみる縮まる恐怖。


 あ、逃走した隊が。

「瓦解か」

 シグルドさんの姿が征伐軍の中から消えて。

 ちかくの森の中にあった。

 傍らにアイヴァーさんも。

「結社はこの後、どうするかな?」

 もう、平原での戦いに見切りをつけている。

「そうだな。公国の場合はサマースティプル平原を統治下においている藩主国に一戦、挑む気があるんじゃないかな」

 総力戦を挑んだ後だから、勢いづけば小国くらいは楽とはいかなくとも。

 陥落させられる可能性は十分にある。

「セル嬢には悪い事したなって、気持ちが」

 アイヴァーさんは、シグルドさんよりもあたし寄りに考えてくれてて。

 なんかいつの間にか。

 シグルドさんがドライな考え方になってた。

 あたしを()()()()してくれたのに。

「らしくないですね?」


「らしくない、か。確かに...な。連中の暗躍に気が付き、かつ阻止することが我らの行動理由だ。気づけたとしても数歩先を行かれ、やっと追いついたとしても間に合わない。彼女らのような規格外があれば、この戦いの趨勢は違ってたかもしれないと思うと、不甲斐なくてな」

 まあ、それがらしくないって事なんだと思う。

 シグルドさんに信条を叩きこんだマスターアサシンとしてのアイヴァーさんらしからぬとか。


 深く息を吐き出して。

「藩主国だけで留まるのでしょうか?」

 少し先を案じた。

 結社がバックにある事は間違いない。

 彼らでも兵が無尽蔵に湧きだすような壺があるとは思えないので。

 無茶はしないと思いたい。

「無茶か」

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