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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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最近の勇者たちは、何してますか?

 異界の魔獣の目を通して邪神の残滓は、いずれ己の脅威となる者たちの評価に入ってた。

 いあ、経緯が少し違うな。

 魔獣との意識経路パスは、唐突につながったようだ。

 意図して繋がった訳じゃなくて。


 その幸運に。

 邪神でありながら、神に感謝したというので。

 残滓の立ち位置が一気に怪しくなった。


 飢餓に追い込んでも死なないしぶとい勇者は、天井からしたたる滴に口を開けて仰向けになってた。

「水は与えてるんだが」

 導師たちの呆れ顔。

 毒薬も難なく中和する女神の権能。

 か、或いは勇者専用の資質か。

 何を与えても、

『ぽんぽんが痛い』とか病気にもならんので。

 面倒になった邪教の導師たちは、ライ麦パンと水を与えてある。

「とうとう、天井からの滴集めをはじめやがった」


「何が悲しくて雨水なんか啜るんだよ」

 たぶん、誰が一番不幸かゲームかもしれない。



 その誰が一番不幸かゲームにはひとつ、決定的なチートが。

 勇者だらけのパーティには、女の子がひとり。

 乙女神の趣味だな。


 男ばかり、デブ、ハゲ、ヤサ、ショタってくるとお腹いっぱいになった。

 この他に最低でもあと2人は召喚しないと聖女を含めた、ラッキーなセブンズなんていうチームが成立しなくなる。

 そんな群れには興味ないんだけど。

 神さまの中での“7”は、人々が抱く希望的な意味合い以上に重要という。


 ほ~ん。


 でだ。

 ジジイを加えた後、ビッチの召喚が行われた――囚われの身になってる勇者チームにも彼女はあった。

 誰が一番不幸かゲームの勝者は、ビッチである。

「だれがビッチだ、ばかやろう!!」

 ジジイに花弁からしたたる蜜を吸われてる時点で、雨水よりも不幸と言うか。

 なんか同情されてる。

「なあ、じいさんもビッチのソコ吸うのやめてやれ」

 目のやり場に困る。

 ジジイとビッチの召喚は、家出少女に今まさに襲います的なシーンの状態で行われた。

 もうセットで扱いなさい的な状況だったようだ。


 それ、犯罪です。

 とは異世界常識でもツッこむ者はなかったけど、行為自体はその場の司教が防いだという。

「でしょでしょ?!」

 ビッチはいつも危険に晒されている。

 勇者らは互いの信念と正義感を持つ、基本ぼっちの執行者だが。

 馴れ合いは、ない。


 セット召喚のジジイとビッチが襲う側と、襲われる側なだけで。

 可哀そうに貞操の危機が常にあるビッチには味方が少ないのだ。

「まあ、どういう経緯かは知らんが」


「あ、あたしは知って欲しいし、守って欲しいんだけど!!!!?」

 か弱いかは別として、女の子だ。

 守ってあげてしかるべきかと思う。

 ジジイってもハゲの青年並みに腕力があって、腰の一本独鈷の反りと滾りは年齢にそぐわない。

 腰だけ無双。

「――ったく面倒な」

 ライ麦パンを齧るショタ。

 こいつは容赦ねえんだわ。

「ジジイから乗り換えるなら、オレに媚び諂え! それが条件だ!!!」

 6人から変な声が漏れた。

 いや、呆れたんだわ。

「おめえ、....っ、ませてんな?!」

 ヤサな青年は肩に入れ墨を背負う漢だ。

 その兄さんもショタの台詞には眉をひそめてた――ショタっても、12、3歳くらいの柄が悪い少年。

 乙女神の基準って何処ですか~?


 マジで、あの人の人選が分からない。

「需要と供給だろうが?! マセてねえよ、ビッチとだって年齢とし大して変わらねえだろ!!」

 あーって声はあがる。

 ビッチの見た目は厚底ブーツ並みのブーストが掛かってるだけだ。

 デブのおっさん値踏みだと、

「じぇ、じぇーしーです、かね?」

 JC?

 ん?

「おめえは、何処の世界の言葉使ってんだよ!!」

 てな具合に、腰痛持ちの勇者が責められる。

 ジジイの拘束が甘くなり、再び襲われそうになるというシーンの再開だが。

 ビッチの貞操は、あたしの救出まで守られるのか。

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