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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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聖女が囮になった、件 2

 神殿騎士にしては体力が無いと思ったんだよ。

 後のまつりってヤツだけど。

 そうなると――


 あたしらのパーティは。

 極端な前衛タイプって事に成る。

 いあ、結局、ね。


 あたしが囮に成るからいびつな戦力でもいいんだが。

 いいんだけど、納得は出来ないよね。

「何が?!」

 師匠が尋ねてきた。

 また、顔に胸中の言葉が浮かんでたようで。

「ああああ、いえね。あたしが囮に成るのは折込みですよねっ、て」


「だな」

 否定してー。

「なんでだよ、俺は()()()()()さんに消し炭にされたかねえよ」

 ん?

「話を止めんな、最後まで言い切れ。それから別の話題を振れ!」


「いあ、みなさん...師匠もですが、怪我したり...火傷したら誰が治すんですか?」

 考えるまもなく。

聖女おまえじゃ、ないから心配するな。支援ロールは騎士に扮してた、修道士たちが行うんだと話がついている。火力支援も必要ないから...MPも的確な時と場所を、魔王さんが指図さしずしてくれるって、まあ、そんな話に落ち着いてるからな」

 マジか。

 出来るじゃんよ、あたし。

「お前じゃねえだろ、魔王さんが、だ!!」

 有能なのは、魔王さんだ。

 いや、魔王ちゃん。


 ヤバイなあ、人格が違うだけで出来る子と、出来ない子に分別されてる。

 あれ、これは...

「セルコットさんは、要らない子じゃ無いですよ」

 優しく包まれるように、ミロムさんの腕の中へ。

 頭を撫でてくれる母性愛が注がれ。

「いいパートナー、だな」

 師匠の皮肉も、聞こえない、聞こえない...。



 作戦は凄く単純だった。

「パンツは脱いでね」

 そそ、パンツは脱ぐ。

 脱ぐ?! なんで!!!!

「魔獣たちは鼻がいい」

 ふむふむ。

「セルは汗ばむから、脱いでると得する!」

 ほうほう。

「だから脱いでおく」

 うーん?

 汗ばむと香ばしくなる、すると...

「チーズ臭!?」

 後輩が叫んでた。

 しないよ! そんな匂いは出さないよ???!

 誹謗中傷だあ。

 訴えてやる!!

「誰にだよ、てか、マジでそんな匂いを?」

 師匠が退いてる。

 いあ、お爺ちゃんまで?

 あたのはチーズじゃなく、えっと...ふ、フロー。

「花弁とは言うけど、花はないな。紅が溺れかけたときは...... あれだ磯の香りがした!」

 ヒルダさんが余計なことを告げ口。

 そんな緊張のかけらも抱かないまま、

 戦端が切られたんだっけ。


 そ、最初のアレだよ。

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