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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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聖女が囮になった、件 1

 こんちくしょー!!!

 くらえー、あたしの最終最大、さ、なんだか分かんないけど。

 すっごい技だあああああああああああ!!!


 空が灼ける。

 いや、太陽が堕ちてきたとも、置換できる。


 巨大な火の塊が、空を焦がして地面に衝突した――トコ。

 水蒸気の塊である雲は一瞬で蒸発し、()()()()の叫び声が木霊する。

 そもそも火種である火の精霊が死んだ。

 次に風の精霊に、水の精霊、あと闇の精霊と...土の精霊は、どこ行っちゃんだろ。


「ぎゃー!!! あちぃー!!!!」

 あたしだ。

 術者のあたしも、とばっちりのスリップダメージ貰ってる。

 “神の賽”でクリティカル確定のゾロ目が出てた。


 範囲無視による、超範囲攻撃魔法【ファイヤー・ストライク】。

 魔王ちゃんから恥ずかしくてもいいから技には、名前を付けておくといいと言ってた。

 彼女の底なしの知識に寄れば、だ。

 ダメージ1~2割アップするんだって話で。

 言葉にはしなかったし、今、考えたんで...ダメージが創成されたとこ。


 それが着弾後に発生する確率性の延焼スリップダメージ。


 厄介だよ、これは。

 条件が揃えば表面温度だけで着弾半径10ブロック外縁に、火災が発生する。

 更に外縁から3ブロック離れたとこでも、半々の確率で飛び火が出るって言うんだから。



 話はえっと、2刻前に戻る。

 魔王ちゃんからの提案により、あたしこと“聖女”がひとり囮になって――抗議はしたんだよ。

 後輩があたしの背を押しながら。

「先輩みたいな、攻撃以外の行動がすべてファンブルな子に?! そんな大役を!!」

 あ、抗議じゃないな。

 ひどく心配しながら、生贄に差し出してる構図だわ。

 ヒルダさんも肩に手を置き、更に押し出して。

「トイレに行って、その場で寝る根性があるコイツにか!!!?」

 魔王ちゃんの視線が痛い。

 明らかに蔑視だよ。

 トイレで寝たのは、徹夜やきん明けで。

 てか、なんでソレをヒルダさんが知って。

「緊張のあまり、ドジって失敗するでもいい。自慢の聖女ぱぅわ~で乗り越えられるなら......今、ここで敵のヘイト管理が出来るのは、セルしか居ないって事に成る。正教会の連中がアテに成らないと、自分たちで暴露したのだから、な!」

 手厳しいけど。

 確かにその通りだ。


 見栄で連れてきた騎士団は、団長と副団長はまあ。

 神殿騎士の中堅騎士だという。

 まるっきりハリボテという訳には行かず。

「ちょっと待って、調査旅団の裁可は得てたんでしょ? 何で正規の」

 後輩が咳ばらいをし、

 団長の老齢な騎士が応える。

「“紅司祭”さまは、神秘科の...その所属の方では無いので。...裁可は威力偵察という」

 神秘科で動くのならば正規のいや、本来ある正教会のプラチナ・チョーカー級最大戦力が...出撃る。

 正教会の巫女は、信託で『聖女を助力たすけよ』と告げた。

 が、後輩が所属する近代魔法・魔女科()()が、“聖女の行方”を把握しているので。

 その裁可とは魔女科から認可されたのだという。

 最初から、少数精鋭なのだ。

「それって...」


「ご明察です、先輩!」

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