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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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魔法学校に魔王がいた 1

 キャンディスの魔法学校。

 マジックキャスターを育てる独立の教育機関として、そこそこ世界に認知されていた。

 創設者は、名前の削られたエルフって事にされてるけど。


 たぶん名前を表に出すことが出来ない。

 シャイな有力人物たちじゃないかなあって思ってる。

 てか。

 卒業した後の就職先が桁外れでヤバすぎる。

 とはいっても。

 あたしのような、成績が中途半端でどうしようもないクズの貰い手先は皆無だけど。

 そこはそれ。


 愛護団体で貰われる先を持つ。

 愛玩動物達みたいな感覚で。

 あ、ちょっと。

 なんがか悲しく...




 後輩たちは優秀だったなあ。

 紅の修道女って呼ばれる子は、当時からも光ってたっけ。

 ハーフだとか、クォーターとかいう血統を抱えてて。

 生い立ちの怪しさが光を際立たせてたような、気もする。

 似た環境なのに。

 まったく、あたしと類似点がないみたいな。

 あの子は、そう。

 その当時から修道女みたいな恰好だったね。

 で、子供たちは“シスター”って呼んでたっけなあ。

 バカにしてたけど。


 実力差が出ると、尊敬の意味で“シスター”。

 ま、姐さんみたいな感じかな。



 蒼炎の魔女と呼ばれる子も。

 あれは天才だね、一種の。

 紅が天然だとすると、蒼炎は努力型の天才。

 卒業を目の前にした数か月で化けるヤツ。

 あれだよ。

 いやあ、牛蒡抜きってヤツ?! あたしの隣に居たのに抜き去られてた。


 あ、えっと。

 あたし?

 留年しちゃって。

 後輩たちと同じ年で漸く、卒業できたクチ。

 ま、ギリギリだったんだけど。

「また、問題児さんですか?!」

 廊下で数人に絡まれる、あたし。

 この時は苛めだって気が付かなかった。

 魔法は火属性の初級魔法ファイヤーボールが使えるし、剣術も得意だったから。

 実のところ、魔法剣士に憧れてた。


 爺ちゃんが、アレだしね。

「筆記試験は中のギリギリ、実技は力任せ、使い魔に落ち葉を出すとか?! とんだ問題児ですねえ~ 聞こえてますか? 理解してますか? その頭はまさか飾りでも」

 ま、顔はそこそこマシだったと思う。

 女の子はバカな方が、可愛げがあるって言うし。

 あたしにだってワンチャン。


 いや、マジなバカは得るものも無いか。

 まあ、今ならばそれが現実だと分かるよ。

 でも当時はねえ。

「(深い溜息)こいつまた上の空だよ?!」

 ああなんてこと。

 傷つくなあ、この時のメンツはまあ、覚えてる。

 ひどく突っかかってくるのは、黒衣の仮面令嬢なる取り巻きの人たちで。

 あれは悪意の塊のような。

 まあいいや。


 で、あたしの頭を爪で刺すのが。

 曾祖父ってのがどっかの国で賢者だったっていう娘。

 彼女が凄いわけじゃないけど。

 やっぱり血統主義が残ってるのは、何処の世界もだ。

 かくいうあたしも、ホーシャム・ロムジー伯爵の孫娘と言えば聞こえは言い訳で。

 そりゃ、嫌われるかもなあ。

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