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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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後輩とおじいちゃん、再び 3

 薬のキレが遅くて、マジの仮睡眠してた()()の神経の太さに驚きだ。

 普段なら余裕で当方と。

 自分を表現するところだけど、焦り過ぎて鼓動が早い。

 たぶん、ちゃんと言えたであろう遅延型スペル。

 あれも微妙にスッと出なかったように思う。


 学校でも、職場でも()()と呼ばれることが多いけど。

 いいや。

 当方は、そんな大層な人物じゃない。

 むしろちゃんと評価しろといいたい。

 恐らく、稀代の魔法使いにして...

 本人が自覚すれば、覇者にでもなるであろう、その人を。



 未だ困惑してるお爺ちゃん。

 頭を抱え、虚ろな瞳で窓を見る。

 そこに投影されるは、全裸の若い男の姿だ。

 風貌だけは幻術も駆使して、セルコットのお爺ちゃん()()()見せているけど。

 数千年生きてるハイエルフの長老である。

 実際に、どこまで年齢を重ねたらマジ老けになるか。

 あたしらでも分からないんだけど。


 爺ちゃんの頭から下の身体は、三十路前の筋骨隆々、細マッチョで理想的なボディである。

 まあ、えっと。

 垂涎モノの一級品というか、その。

 母さまが惚気て「見て、お爺ちゃんの身体! 素敵よねえ~あたしの理想なのよねえ」と。

 鍛錬後に上半身浴してた時に盗み見してた時の話だ。

 アレの娘から、あたしが出たのだと思うと。


 あたしもアレを目指すのか?

 ん?

「ヤったのか!?」

 唐突に出た言葉。

 未だ、混乱してる。

 記憶に割り込む偽の記録。

 この混ざり具合が魔法の限界ともいえる。


 頭の奥がヒリヒリと焼き付くような痛みが伴う。

 でも、栗の華が咲き狂ったような匂いが、密室の部屋に残り。

 噎せ返るような強い汗の匂いも混ざってた。

 剥ぎ取った布の下に、赤い花が咲く。

「破瓜???!」


「当方からは言いませんよ。は、ズイ、ので...」

 噛んだっぽい。

 らしくないなあ、後輩。

 こいつも動揺しているのか。

「す、すまぬ。嫁入り前だというのに」


「責任を取ると申されますと...これはアレですか?! 先輩のセルコット姉さまの~お祖母ちゃんになってしまうとか? そんな方向でしょうか」

 それちょっと嫌だなあと、あたしも思ったし。

 彼女も舌打ちが出そうになった。

 せめて、母親くらいならワンチャン。

「あ、うむ。流石に帰郷した時、儂が嫁さんに殺されるな。うん、殺される...酔った? いき、おいでその、若い...孫娘よりも若い、()()に手を出したというのも体裁が、な」

 後輩を子ども扱いか。

 まあ、言いえてだな。

 後輩だって、外見年齢は歳相応だ。

 結婚適齢期でもあるし、熟れた果実のようなものだけど。

 エルフの目からは、うーんと。

 よくて7歳児か、8歳児の幼児だ。

 それを第二夫人だよと、領地にて領主代行も務めてる祖母ちゃんに、報告する勇気は...。

 いあ、それは勇気じゃなく蛮行だ!

 そして、その行動の結果も冥界の門を開けに行くようなもんだ。


 な、もんで――爺ちゃんは葛藤してたんだ。

『え?! な、なに俺さま!!! 幾ら肉に飢えてるからって、6歳児に手を出しちゃった。マ、マジか俺さま。酔ったくらいで、えええええええええ????!!!!』

 な、具合だったわけ。

 巨乳好きだから祖母ちゃんを口説き落としたのに。

 出るとこ未発達な子供に手を出した。

 これはもう、万死に値すると。

「済まぬが、手前勝手な頼みだと承知もしている。このことは、教会内だけで留めて貰えないだろうか」

 爺ちゃんが攻略された。

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