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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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裏切り? 盾騎士ネイザーと、くのいち 1

 蒼炎の魔女には念話と、念視が送信されている。

 見たものそのまま、ライブ中継しているようなものだが。

 何ちゅう高度な技術を。


 その結果、ネズミの疑いが確信へと変わった。

 パーティが全滅した現場には、伏兵がある。

 もっとも、何が起きたのか調査的な人員の配置で。

 こちらが再び現れる可能性にも警戒している様子だ。


 戻る準備と旋回する中で、

 例の斥候を見つけたようだけども――『ご主人、この事は内密で!!』

 ネズミから口止めされる。

 魔女からの抗議は勿論あったけど、無言だ。



 この姿は、

 そう! 獲物として捕らえられた態を装ってる。

 でも、斥候の目は誤魔化すことは不可能だろう。

 ネズミが見つけたのだから、斥候のイクハと言う者も見たに違いない。

 あれは/これは...

 斥候だと。



 ネズミが懐疑的なのは、今までたどたどしかったネイザーさんの口調だった。

 斥候の必要性は冒険者らしいと言えば、らしい。

 疑惑を抱く事柄ではないんだけど、主人と共有しているネイザー・へドンの記憶とは少し趣が。

 これは、魔女の主観だ。

 或いは一方的な感情かも知れないけども。

 それならそれで、主人は彼に好意を抱いてた――だったら、ゾンビの彼も清々しい好青年っぽいのではと考えなくもない。信用させるために、いあ、抱き着く必要はないのでは。

 悶々と考えこむと、どんどん疑念が産まれるのだから。

 疑うって仕事は...

 腹が減る。


 鳥が、飛びながら虫を捕まえてくれた。

「喰うかって?」

 やや困った表情になるネズミ。

 彼、一応、菜食主義者なの。

「いらない訳じゃないよ...ありがとう」

 魔女がネズミ話しかけるように。

 ネズミも他の動物との会話は、念話で行う。

 魔女とのチャンネルが混線しないよう、ちゃんと切り替えているんだけども。

 わりと優秀なパートナーのようだ。

「高空からの観察が出来たのは重畳だけど」

 鳥が鳴く。

 ネズミが首を何度か振って、

「地上からも観測したいけどね。相手は手練れの様だから、近寄れそうにもない」

 見つけた斥候は本物だ。

 ()()も、単独で逃走中ならばコンタクトを取りたい。

 しかし、ゾンビのいう事を鵜呑みには出来ない雰囲気がある。



 これはまだ、疑惑の段階。

 でも、十中八九。


 屋根裏部屋に戻ったネズミは、魔女から熱烈な歓迎を受けた。

 イクハを見つけたからではない。

 無事に帰って来たからだ。

「で、どうだった?!」

 流暢な会話が出来るようになっている。

 魔女曰く、蘇生に使われた新しい肉が馴染んだからだというのだけど。

 記憶の中のネイザーさんは軽口のタイプではない。

「この子との感覚共有では、何も」

 嘘をついた。

 正直に言わなかっただけで、心に傷が出来るのだと知る。

 それでも、ネズミからは称賛された。







 今は、それでいいんだよって。

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