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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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ようこそ、バヤリーナ。おいでませ、異教徒さん 5

 ネズミの案内で、安全なルートでもって。

 冒険者たちのもとへ。

 正直に言えば、()冒険者のもとへと赴いた。


 なんで、危険を冒してそんなとこに行ったのか。

 そりゃあ建前上、生存者があるかもしれない。

 使い魔のネズミは『()()()()はコト切れてるよ』と教えてはくれたけども、そこは単なる動物の言葉で一概には信用できない。例えば息を殺してるかもしれないし、あるいはコトを大きくしないよう、静かに仮死状態を装う魔法なんか使ってる可能性もある。

 だから...

 いや、本音を言えば寂しいので仲間になりそうなのを探しに行ったのだ。


 現場についてみると――

 激しい戦闘の後が見て取れる。


 パーティの構成は、野戦用のもの。

 斥候2、弓1、精霊術師1、軽戦士3...いや、大柄な男が実に気になる。

 だから...彼を軽戦士という括りから外して、

 軽戦士2と重戦士1、とか。


 この重戦士は盾持ちのようだ。

 覆い被さってた立派な盾を剥ぎ取って絶句。

 知り合いだった。


 マジかよ、ネイザーさん!!?

 ネイザー・へドン、魔法詠唱者協会メイジ・アソシエーションに雇われたベテラン冒険者。

 彼の肩書は“ゾディアック・シールドマスター”、一介のいあ、冒険者なんていう不安定な職業とは違って、もともとはどこかの城に公僕として仕える立派な、騎士の一人だという。

 えっと...盾騎士だったかな?

 ――のはずだけど。

 なんで、こんなとこに。

 蒼炎の魔女も知り合ってたクチ。



 巨大な盾が棺桶の蓋のような役割を担ってたから。

 ガチで肉体の方は状態がそこそこいい。

 まあ、盾の脇から覗いてた足の一部と、利き腕のような部分は腱から少しが、なくなってるような気もしないでもない。

「けど...」


『けど?』

 ネズミが頭を持ち上げて、不思議そうな色へ。

 つぶらな瞳がくるっと動いたような気がする。

 この表情で、昔は非常に大爆発な人気を博した――が、ペスト菌の大量発生で、魔法使いだけじゃなく一般人まで世界の大半がひどい目になった。うん、死霊魔法術師にとっては普段、手に入らない死体が大量に手に入ってうれしかったとか、話に聞いたけど。

 そんな彼ららもついでに迫害されたという。


 まあ、それはいいか。

「この地域は乙女神の加護が喪失しているから、さ。もしかすると......魂魄の一部とか残ってさまよってる可能性があるかも。じゃ、さあ! なんか肉集めてきて!!!!」

 肉?とかやや不可解な声色がネズミから聞こえたけど。

 欠損部位を欠いたまま蘇生させると、歩けもしないし動きも鈍くなる。

 せっかく、話し相手を作るのにお荷物かゾンビにしても意味がないし。

 彼には生前通りの騎士として、前衛をお願いしなくちゃならない。


 ま。

 そんな意図まで使い魔に説く必要はないと思ったけど。

 持ってきた肉が、同属のドブネズミだったのを見て、考えも変わる。

「ごめん、わたしが悪かった」

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