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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
276/523

どっちを優先する? 9

「郷のみんなに避けられてた理由が少し、分かった気がするよ」

 から、話を切り出してみた。


 あたしは、生まれたその日から“特別”だったんだと、思う。

 客観的に見て、かなり控えめな評価。

 エルフ族なんて年齢だけなら、人の何十、百、千倍もの長命種。

 人生の先輩ですよといった態度かおをする。

 けども、ゼロからゼロに戻る種族に対して、それは凄く間違いだと思う事がある。


 だって、短命種はその一生の中で、なんども子を産むのだから。


 エルフなんて、1回くらいだわ。

 難産だから特別なんて思うのは、あたしらだけだ。

 逆子も珍しいから右往左往の大騒ぎ。



 いや、子が出来るイベントも。

 生まれるイベントも、逆子も難産も、双子とかも数千年生きる種族には未知の世界。

 自分たちの中では「分からないイベント」の発生。

 あ、ちな...ひとりエ〇チと、セッ〇スも興味があるのに勇気がでない、そんなトコ。

 あいつらは意外と、ムッツリなんだよ。



 で、どこまで。

「唐突な昔語りは...えっと貴重です、が。当方の知りたいのは、先輩が本当に帝国の猛獣、帝国最強の剣士、天下無双なる魔法剣...ホーシャム・ロムジー大元帥のお孫さんなのかという事実! その一点のみ」

 後輩がめちゃ、爺ちゃんを褒めてくる。

 その力強いフレーズに対して、面白いようにくねりだすヒルダ。

 師匠が褒め称えられるのは、弟子としての誉みたいのがあるのか。


 残念だが、あたしにはない。

 身内だからじゃなく、こう恥ずかしいんだわ。

 その中二病丸出しの二つ名が。


 あたしを前にした爺ちゃんは、もう。

 3歳の子をあやす、かあさまの父親って感じで。

 赤ちゃん言葉を連呼する変態だった――爺ちゃんって呼んでるけど、エルフの男衆の年齢の刻みなんて、一見じゃあ分からない。

 みんな美男美女だから。

 母さまも漏れなく美人で、あたしは()()()

 乙女神さまからも『まな板は、そう、長命種の中では...悪いけど()()()よね? こう、まあ、可愛いと思うけど。容姿は()()()...いあ、そんな不思議そうな顔をしなくてもいいのよ? 亜人族の中では()()()()にイケると思う分類に入ってるから、種付けの対象くらいには選ばれるから。ま、そこは問題ないと思うのよ』とか、まあ失礼極まりない反応だった。

 くそう、美意識レベルがたけぇーなー。


 てな訳で。

 爺ちゃんが髭を生やし、外見的にも老人を装うようになったのは...

 あたしの()()だ。

 帝国人の中でも、まだ数名はロムジー伯爵は、人族だと思ってる者もあるかな。

「もっと師匠の二つ名を!! あるだろ」

 せがむヒルダは放っておく。

 面倒だし、呑んでも居ないのに絡み酒っぽい。

 こんな帝国人には、水でも飲ませておけ!!

「別に隠してないけど、そうだよ」

 強者には、それを演出するための間があるという。

 いや、そう仕向けてるから。


 てか。

 他人のふんどしで、相撲を取る気はない。

 あたしには、ない。


 そもそも、実力が...

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