どっちを優先する? 8
召喚されたドラゴンは、大人たちに見つかる前に消える。
恐らくは、あたしの魔力が切れるからだろう。
けども...
特筆すべきは、あたしの方だ。
ベイビーなあたしの魔法量なんなのよ、あれ。
ちょい、鑑定。
〇セルコット・シェシー
種 族:エルフ / 年齢:(外見的)3歳前後
二つ名:火焔の魔王
階 位:なし
能力値:
STR:161/129
DEX:150/120
VIT:238/190
SPD:281/255
INT:764/611
MND:324/259
LUK:9999
職業:
堕天騎士Lv.59
スキル:
従騎召喚
従者召喚
剣術
鑑定
気配感知
うわ、マジか。
な、なんだコレ!?
「ん~のぞき見返し。か~んてぃっ!!!」
野原に寝転がってた、ちびっこのあたしが宙を見る。
いあ、そうじゃないだろ。
俯瞰してた、あたしを見てきた。
で、頭の中に繰り返されるアナウンスがある。
こ、これは...
聖女の防壁が破られた、アナウンスだ。
〇セルコット・シェシー
種 族:エルフ / 年齢:(外見的)20歳前後
二つ名:聖女 / 火炎球の魔女 / 金色の暗殺者殺し
階 位:シルバー・チョーカー
能力値:
STR:234/156
DEX:447/298
VIT:1935/1290
SPD:3083/2055
INT:3291/2194
MND:777/518
LUK:9999
職業:
魔法使い(火炎球のみ)Lv.60
格闘士Lv.32
斥候Lv.60
忍者Lv.60
堕天騎士Lv.80(能力補正25%)
聖女Lv.80(能力補正25%)
※乗算ではなく加算
スキル:
従騎召喚
従者召喚
火炎球/魔法自在操作
剣術
鑑定
気配感知
――って、ブロックしてた“あたし”を見られた。
乙女神でさえも、この数値を知らない。
寝転がってる子供がにっこり微笑んで。
「すごい、ボクの将来は明るいじゃん!!」
ただ一つを除いてはって聞こえた。
けども、過去への里帰りは一瞬で、終わってしまった気がする。
閉じてた瞼を開けると...馴染みある3人の顔があった。
どうも心配させてしまったようだ。
「いあ、なにこれ?」
ちょっと場違いな対応だったかな。
「もう、先輩の過去に執着しませんから!! そんなに囚われないでください」
泣かせてしまった。
ヒルダも気丈に振舞ってはいるが、こいつも大概に。
優しい子だしな。
「なんか、ちょっと...うん、ごめん」