表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
270/539

どっちを優先する? 3

 天界の方では、その。

 あたしが“聖女”だったという再認識させられた訳で。

 これと言って、いや。


 自覚は無いけども、戦闘職の聖女だって気が付かされた。

 まあ、他には乙女神さまとのパスも繋がり、余計面倒な事になった訳だけども。

 現実世界では全くもって、何も進んではいないのだ。



 例えば。

 最初の冒険から続く謎。

 いあ、案件だな。


 港町クリシュナムでの怪異。

 地下闘技場の選手たちを利用して、姿かたちが変異する薬物投与事件。

 これの解決は――興行主の捕縛やら。

 否、決定的なとこでは完了しなかったし。

 それで......

 ()()()()()は、王都ハイドラへ。

 秘密結社と戦う人たちとも知り合う事になって。

 まあ、腐れ縁が結ばれた訳だ。


 ミロムさんや、ヒルダとも再会したし。

 あたしの手でひっかき回して、話が拡がったり、狭まったりでより複雑に。

 そして、勇者の神隠し。

 こう、股間にシーツが乗ってる状態で、3人の背中越しに見ていると、だ。

 つくづく自分の手に負えないとこまで、足......首を突っ込んだなあって思う。

 何やってんだよ、セルコット・シェシー。

 あんたは、あたしは、そんなアクティブな子じゃ無かったろが。


 ああ、逃げ出したいなあ~


「で、先輩は今、この状況でどちらを優先したいと、思いますか?!」

 後輩があたしに声を投げてきた。

 気が付いてしみじみと3人の背を見ていた、あたしに気が付いてた?

 えっと...

「起きてすぐに、ヒダを搔いてたのも知ってますよ」

 見られてた!!!

 え、え? ええええー!!?

「見てはいませんが、先輩なら、たぶん」

 行動の把握?!

 ミロムさんはヒルダさんの蔭から顔をのぞかせて、微笑んでる。

 いあ、彼女がこっそり教えたのかも。

「で、どちらを優先しますか?」


「えっと」

 ヒルダが天井を仰ぎ見ながら、

「今の状況を掻い摘んで話す!!」

 事情が呑み込めてない。

 ちょっと以上、残念な子だと思われたようだ。

 いあ、3人の落ち着きようと、後輩の話しぶりからすると。

 教会から何かしらの天界事情も伝えられた可能性がある。


 そう、あたしが『聖女』になったこととか。

 それでもなお、ポンコツだと思った彼女たちが、せっせと世話を焼いてくれる。

 まったく、とんだお荷物さんだ。

「やっと自覚しましたか?」

 優しそうな微笑みのミロムさんから、辛辣な言葉が。

 えー、やだよー。

 ミロムさんはもっと優しい子でいてよー。

「ロム爺が、ラグナルの辺境公領で保護された。供周りもなく、ただ単身、夢中で走ってきたという...爺の最後の記憶は“バリヤーナ自由都市国”。ここいらのきな臭い噂話はなしから推測すると、大陸の中でイチ、ニを争う狂犬ぶりが彼の国だっていうしな。目の前で戦争しようって張り切って軍備整えてる、メガ・ラニア公国も無視は出来ねえ」

 ふむふむ。

 つまり、秘密結社が関わる公国か。

 お爺ちゃんが関わってしまった自由都市か。

 身体は一つ、どちらかにしか手を出しようはないと?!

「いや、そこまで単純な話じゃねえ」


「はいいいい?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ