いつかどこかで、交わる道 8
『3つ目がしょぼくなる感じかもね、あんたにしたら。“聖女”の力が目覚める事...具体的な権能は無く、人それぞれに、ランダムなギフトが贈られる。まあ、過去っても実のところ正直、今回のように6人MAXで勇者が召喚された事例の方が少なく...』
咳払いの後、紅茶を啜る。
それ、あたしのカップ。
間接的な接吻じゃないっすかあー
『(舌なめずりしてて)今回を含めないなら2回。1万年の時間のうちで2回しか召喚されてないから...
伴い“聖女”の降臨も2回しかない。その中でのランダムな性質で、彼女らは“大魔法使い”ってユニークスキルを引き当てた、ちょーラッキー!!』
つまるところ、あたしの強運ならば。
そんなURな“スキル”なのか“職業”なのかを引き当てられると。
そんな細やかな夢を抱いてる訳だ。
で、あたしが即答で辞退するといった理由がここにある。
まさにここだ。
スキルだか、職業だか。
称号の欄に“聖女”と輝くその脇に、エクストラって書かれた嫌悪な表示。
ズバリ! 堕天騎士。
ヤバイ、ヤバすぎる。
実に良くない方向性だと思う。
だって、聖女と言えば光の存在。
天界の御声めでたき光の象徴。
『で~ まな板はどんなスキルを引いたのかなあ~』
必死に抵抗する。
操を賭けた戦い以上の激しい抵抗。
女神の下には――ステータス、鑑定...ブロックされました――ってアナウンスが流れてる。
◇
再びアクセス開始...
ステータス、鑑定...失敗しました。
再々チャレンジ...
失敗しました。
気を取り直して...
失敗しました。
『おおーい、待てや、こらあー!!!』
失敗しました...ってアナウンスが流れる。
あたしには届かないアナウンスだけど、女神の顔がみるみる内に赤く頬がリスのように膨らんでくる。
あ、とうとう地団駄踏み始めた。
うん、かわいい。
『もうー、どうして。どうして見れないのよー』
終いに泣いた。
子供っぽい癇癪の後に号泣である。
思いのほかあたしの抵抗力が強かったようだ。
これがチャンネルが整備された相互干渉と、2つ目の加護耐性。
無敵じゃないっすか。
『そんな使い方しないでよー』
わんわん泣いちゃって、やや可哀そうな気分になる不思議だ。
この泣いてる最中に――『お尻、パパに叩かれてすっごく痛いのに我慢して、まな板と遊んであげたのに酷いよ~』みたいなのを聞かされた。えっと、それ...あたしのせいじゃなくて、ご自分の失態ですよね、お尻叩かれたの。
ってのは、流石に口に出して言えない。
これは傷口に塩を塗るパターンだろうし。
「あー、そういわれても」
スキありって、女神がガードの下がったあたしにアタックしてきた。
空しいアナウンスが聞こえて...
ガードされました
だって。




