表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
259/511

いつかどこかで、交わる道 2

『教会? どこの?』

 女神正教会をご存じない。

 まあ、神さまにすれば信仰が集められれば、窓口などどこも一緒という訳だ。

 それぞれの信託は、それぞれの預言者や巫女を通して窓口にすればいい。

 適当につなげたチャンネルの数だけ、宗教が存在する。


 ま、逆に言えば。

 それらの宗教からお祈りするだけで、乙女神の神のぱうわぁ~が増すという。

 ただ、聞くに一方通行っぽい。

『なんでいつもチャンネル空けなきゃいけないのよ? アブラムシの分際で、神がすべて応えると思ったら間違いなんだからね!!!』

 語気は強め。

 ただし、座る位置を変えながらの説法なわけで。

 その辺がどうにも気になる。


 おしっこ行きたいのかな?


 座り込んでるあたしの乳首にダイレクトタッチ。

 だから上から押すと痛いんだってば!!

『おしっこじゃない!!』

 あ、そっちか。

 で、でも、でも...

「痛いんですってば!!!!」

 押し殺してた自分の気持ちを叫んでた。

 驚いて仰け反ってるのは女神の方。


 彼女くらいだと、

 たぶん遊んでたっぽいが。

 唐突に叫ばれて目を丸くしてた。

『なんだ、受けの体質かと思ったら。そっか、そういう反応もできるのか...まな板は』

 あ、うん? どうしたの。

 やや、バツが悪くなる、あたしが。

 乙女神さまの表情がころっと変わったから...柔らかな雰囲気に、で。

 ミロムさんみたいなあ、抱擁さを。

 感じるというか、なんというか。

『こっちおいで』

 呼ばれるように枕を抱えて、膝をすってにじり寄り。

 じれったいのは恐ろしい相手だから。

『じゃあさ、まな板の話を...さ。聞かせてよ』

 乙女神の膝元まで来ると、

 寝かされた。


 あれ?

 これは...ベイビーな扱い?



 一方、逃げ延びた()()()()()は。

 ラグナル聖国北方総督府“ハルドワイニ”領へ転がり込んでた。

 所謂、辺境伯領のこと。

 軍事・行政・立法の三権すべてを特別に行使できるよう、王政府から委任された代理人扱い。

 故にここは、自治政府なわけ。


 さてさて。

 “ハルドワイニ”領の軍事は、西に位置する“バリヤーナ自由都市国”と“北の蛮族”に向けられてる。

 国境都市“ルーキー”を境にして睨み合い、それぞれの駐留騎士団で年に2度の会合を設けて、互いの意思疎通を図っている。今のところは話の通じる相手だと、互いに思い合っているから成立する外交な訳だけども。

 自由都市国の国教は、乙女神じゃない。

 ただし、この世界の統一神は意識下でも乙女神だと、生まれ落ちた瞬間からすり込まれている。

 それでも改神する者はいるんだが。

 国教レベルでは珍しい。


 それがラグナル聖国に敵視される所以なのだが。

 そんな国から、逃げるように境を越えた爺ちゃんは、女神教会へ。

「司祭殿は居られるか?!!!」

 扉を叩くなり、そう叫んだようだ。

 教会の奥から神父が出てくる。

「この教区には司教も司祭もありません。神父の私だけですが...お話を聞きましょうか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ