邪神教という者たち 8
「宗教家、女神正教会の信徒であれば、神の啓示を受け取れる者があるはず――これは誰もが考える、いわゆるそう仕向けた、当方らの“嘘”です。ぶっちゃけると、現法皇と、その前ともっと前も聞こえてません。女性で法皇になった方は巫女でらした時期もあって......伝承では予言者だったと言われてますが。現政権下での正教会には、奥の院に籠られてる巫女さま以外は...」
後輩ちゃんが首を横に振る。
トーンも静かで大人しく、含むような雰囲気。
視線はずっと、あたしを睨んでる。
ターゲット...ロックオン?!
そっか、嘘か。
「嘘なのー!!!」
ヒルダが食いついた。
最初はあたしと首を縦に振って納得してたようで。
兄貴の師匠が妹の背を推した感じに。
帝国は素で騙されてた。
いや、ここでぶっちゃけて大丈夫か!?
「問題はありません、皇太子さまはご存じですから」
おお、なるほど。
ヒルダも納得してた。
おいおい。
そこじゃねえよ。
そこで納得しちゃいけねえ。
「――三の王女が巫女、いや聖女じゃないとすると。今までの冒険譚になんか...こう、もやっとしたもんが残らねえか? 勇者ならじゃねえ、だからこそ倒せる魔物と遭遇して、聖女の祈りは発動してたんじゃ?」
戸口横にアイヴァーさん。
馬屋の方の仕事がひと段落したようで...
会合に参加してた。
うーん、気配が感じられなかったよ。
「どういう事だよ!!」
明らかに敵対心むき出しの師匠ら。
ヒルダも噛みつく満々の野生児化してる。
こいつら、皇族だよなあ。
「いあ、あれだ。冒険譚に含むところはねえんだ、ただよ。聖女ってのは、戦いを有利にするための装置じゃないかって話さ。俺ら戦士が自らの戦意に灯をともす戦技のように。勇者が折れそうなら背中を支え、励ます言葉とか...砕かれそうなら護る言葉なんてのだが...」
あ、そうか。
最初の戦いはあんま見てないけど、
リーズ王国と共同戦線張ってた頃の武勇伝には、まあ、まあまあ。
あたしも居たなあ。
そうそう、あれだ。
聖女さまの上から身を乗り出す感じで、もやっと出てて。
うわっ、すっごいゴージャスな精霊を飼ってるんだなあって思ったなあ。
てことはアレが“乙女神”で、あの場でめっちゃ応援してたのを聖女となった者が受け取らなくちゃいけなかった...ん?! うーん。
あたしは首を傾げる。
こう、立ったまま横に倒れるような。
なんかバツが。
後輩ちゃんの視線が痛いんだけど~!!!!!