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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
194/507

聖都の攻防 50 甘くない沙汰 25

 あけまして、おめでとうございます。


 本年もよろしくお願いいたします。

 抱負らしい抱負はないんですけど、とにかくこの作品が、他のいろんな読者さんに刺さるといいなあって事でしょうか。


                                  さんぜん円ねこ

「役人には敵が多い。彼の国内でも、暗殺されかけたことがあると聞く...そんな人物が()()って疑問が湧かない筈も無いんだが、国外で家族とバカンスをすると...まあ、普通ならしない、大人しくするはずの人物が来る」

 仰向けだったあたしが転がる。

 ベッドの端に来て――あ、なんか自由人。

「潮吹っ掛けられたんで、腹いせに剥いた。正直、俺の感想だが...エルフってのは、乳房をどこに置き忘れてきたんだ?」

 顔が真っ赤になる。

 たぶん耳まで真っ赤で上下にぶんぶん動いてたに違いいない。

「まあ、落ち着け。ここで火炎球飛ばせば、下宿先にて待つ娘に見つかるは必然。放たれた場所が知れたら、うう~ん...お前はどんな言い訳ができるのかなあ」

 揶揄われてるのは分かってた。

 何も無いとは断言できないけど、転がってた時。

 床から壁に向かって()()のごとく果汁のように噴射した後があった。

 我ながら見事な吹き出しっぷりだ。

「...、仕掛けさせる為では?!」

 ほうって声が漏れた。

「豆腐頭では無いかと思ってたが、それなりには」


「(ギルド長の膝が開かれ、あの凶悪な黒いのが良く見え...)俺も、この流布された情報は囮だと思っている。が、冒険者ギルドとしてはその役人が本人であろうと、無かろうと関係なく守護しなければならない!!」

 まあ、当たり前すぎた。

 その時のあたしには、そう思えたんだけど。

「守護にはシルバーが少数、カッパーが多数との報告を受けている。支部長の俺の意見も聞かずに、だ。これは、陰謀だよ上だけで決めた陰謀だ。俺はこの企みに異を唱える!! そこでセルコット、お前の出番って訳だ。とにかく、煮詰めるぞ! お前の新しいデビューを飾るためのな!!!!!」

 で、始まったのが。

 “金色のサイクロプス”プロジェクト。

 今世紀最強の“暗殺者殺し”というキャッチフレーズと存在証明。


 あの後は、数々の任務を遂行したなあ。

 デビュー戦も華々しかった。



 ヒルダさんの大剣を退かせると、後輩からの組手ラッシュの受け流し。

 太守サイドの兵士、私兵が手を出せるようなレベルの戦いでは無かった。

 いや、下手に割り込んでたら死人が出ただろう。

「おら、どけやー!!」

 ガムストンさんが乱入してきた。

 彼も“迷いの森”に嵌り、便所の扉を何度も、何度も、何度も開いては閉じの繰り返し。

 中の住人から「いい加減に扉、開け閉めすんじゃねえよ!!」って切れられたとか。

 人、居たんだの方が驚きだ。

「猪突猛進、」

 予備動作もなしに足を払い、大柄な彼の脇からすり抜けた。

 ガムストンさんは、超近接攻撃を得意とする。

 冒険者の最高ランクに到達していると、余計なことに戦闘遍歴などが記録されている。

 本来は部外秘なんだけど。


 そこは奥の手とか何とか。

 大きな男が兵の群れの中へ落下していく――彼の訴えるような目に「おまえも、冒険者か?!」ってな、声なき台詞が紡がれた気が。

 冒険者同士、かつ高ランクであれば仲間の戦闘歴の閲覧は可能だ。

 理由としては当然、パーティを組む時の参考である。

 そもそも敵対なんて事は、ギルドが赦さないからだけど。


 あたしは肩を竦めてた。

「さあて頭は冷えたか?」

 そろそろ結社を屠りませんか...。

 って意見をまとめたい。

 だってこの戦いは私闘でしかないし。

 あたしの体力が削られる。


 せっかくのドライアイ防止のコンタクトも。

 こんな無駄な戦闘で灼け、いや溶け落ちてしまいそうだ。


 だ・か・ら...

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