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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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ただ今の中継は、スラム街の空き家からお送り...4

「差し迫った脅威は、今も下水道内で捜索しているであろう連中と、どう向き合うかですね!」

 ミロムさんは、皆の前でそう告げた。

「帝国兵は、戦えと言われるのであれば躊躇なく戦いますが」

 その行為はできれば、最終手段としてとっておきたい。

 放心状態のあたしをミロムさんの脇に置き。

 会議は踊る。


 とりあえず、取るべき道はある。

 ただし、その道は決して平たんではないという。



「で、そんな行き当たりばったり見たいな、いやもう博打うちのソレのような。藁にも縋る的な手法で商家こんなとこ来られても、家人が困るんじゃないかって思ってくれなかった......ってことかな? 君たちは」

 と、困惑気味の老人が目の前にある。

 10人の海兵隊は、今、蔵の整理を手伝う職人さんに交じり仕事をしていた。

 郷に入っては郷に従え――なんて言葉がある。

 ヒルダさんは背中がぱっくり開いたエロいドレスにそでを通し、あたしはこの老人の傍らに。

 ミロムさんの方はメイド服が似合ってますけど。

「ウイグスリーさんが、未だ俺のこと覚えててくれて助かったよ」

 師匠の方はいい思い出のように話してるけど。

 それはたぶん、違うと思う。

「忘れていたかった記憶だがね......。ま、唐突に来て、ワシの膝に座る幼子と、年端もない少女を姪っ子だと言わせたのは、一体なんの冗談なのかね?」

 かの老人が、ウイグスリー商会の会長さんだ。

 名はウトウィック・ウイグスリー。

 爵位は一代限りの准騎士となるが、剣をもって戦うものではない。

 単なるこの聖国にある、名誉爵程度の格の話だ。


 で、後輩とあたしが老人の姪っ子となった。

 一時的な状況である。


 師匠とヒルダは、帝国からの観光客という設定。

 彼女の大叔父“エルクスリー”公爵の放蕩嫡子“白面”のストックハムは、子供のころに大火傷を負った為に成人後も白面という仮面を身に着けている。ま、要するに誰にでも化けられるというわけだ。

「本当に大火傷を?」

 なんか聞きにくいことを平気で聞くのが、あたしなのだ。

「いえ、中二病を拗らせただけで取った容姿は、女の子みたいに美しい顔で。ただ、もっと違う意味で顔を隠してるんですよ...それが、今、形容したようにですね。女の子みたいな綺麗な顔立ちなので、女装癖がありまして」


「こら、ヒルダ! 勝手にストックハムの秘密を暴露するもんじゃない!!」

 師匠は当然のように怒ってみせたけど。

 その貴方は、ここにはいない公爵の嫡子を装ってるわけですよ。

 今、ここで粗相をしたら......

「ああ、遠い大陸にある筈に男の娘なストックハムに迷惑がかかるな」

 自覚してたー!!



「――話を戻すと、うちの系列で扱う貨幣しょうひんに贋金が混ざりこむという訳ですか?」

 両替商は、政府から金貨や銀貨などの製造も委託されている。

 そのため、市場の流通量から金貨を引き上げたり、水増ししたりと調整する権限も与えられてた。

 逆に、国庫に資金を蓄えたいときも、似た錬金術で尽力するんだという。

「さて、具体的な話は聞けなかったが。この国で、政府公認といえば貴殿の店しか頭に浮かばなかった」


「そんな買い被りですよ。両替商から贋金が見つかっても、回収してしまえば意味がありません。しかも金貨の偽造なんて、金がかかって仕方ないでしょう。確かに出回っている量から見ても鋳造貨幣の中では少ないでしょうが...白金貨を貶めるよりも、交易で用いる棒金とか手形なんかの方が」

 割符が見つかってた。

 例えば、政府公認商会の手形とともに、偽の白金貨が売買の段階で出回ったらどうだろう。

 証拠らしい証拠は見つけにくい。

「叔父さま?」

 後輩が芝居よろしく、大店の老人に問う。

「贋金が出たとしたらどうやり取りしますか?」

 片言?!だとー

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