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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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ただ今の中継は、下水道からお送りしております 2

 排水口から賊が侵入したとバレたのは、侵入から3日も後のことだ。

 踏み荒らされた足跡は、ミロムさんにより獣が複数居たように偽装していた。

 故に発見からのと、発覚までに大きなタイムラグが生じた。


 ナイス!


 時間的な余裕。

 これであたしたちは、身も心もキレイに垢を落とすことができ...

 汚物を濯ぐなら、天然スライムを用いた“もみくちゃ洗い”がいい。

 やられた本人、あたしが言うのだから間違いない。

「じゃ、先輩。自分でまっぱ、よろしくお願いします」

 結局、他宗教のお膝元では“竜を御する乙女神”という聖堂の秘術でも、効力がなかった。

 いや。

 そういう単純なことでは無いらしいけども。

 あたしの信心不足とか。


 うーん、もろもろ?

「先輩のは物凄く単純ですね! 女神さまに拒否られた、以上です」

 きょ、拒否られた?!

 総本山に居られるという乙女神さまは、信徒である教会関係者の目を通して...

 市中の様子を窺っているんだという。

 ちなみに...

 目を通してみるのは、修道女のみである。


 男性信徒の目で市中をみたら、まあ、その。

 見たくもない“フランクフルト”を目撃しちゃうことになりかねない。

 いや、その事件は数百年まえにあったらしい。

 以降、乙女神さまの穢れなき眼は、修道女を通して市中に注がれているんだという。


 うん。

 で、なんであたしがハブられたのか。

「だから単純だと言ったじゃないですか、先輩はアホですか、いえ、アホでしたね」

 やめて、あたしのライフが抉れるから。

「汚物を手に持ってた、あれがトラウマを呼び覚ましたんです!!!」

 おおそうか、そうか!

 え?

 汚物???


 あたしの背中に嫌な汗が噴き出していく。

 トカゲを握ったつもりだったけど。

「まあ、いいですミロムさんを嗤い死にさせたいのであれば、この話掘り下げてもいいですが。当方としましても、先輩のまっぱはまあ、乙女神さまもお気に入りの美しさなので早くお見せしたいというのが本音でありますから。さっさと脱いでもらえますか?」

 本音って。

 そこさあ、オブラートに包もうよ。



 あたしは、もみくちゃに洗濯された気分。

 いや、そのとおりだ。

 スライムによって、身体のすみずみを...ぶっちゃけるとレ〇プされたのと同義の仕打ちを甘んじて受けたことになる。ま、所々、ミロムさんと後輩の手が入って、逝かされたり洗われたりを繰りかえしたんだけど。

 なんかこう、一生分の恥をわずかな時間でかいたような。

 情けない。

 情けない。

 情けない。

 情けない...

「先輩の場合は、他人ひとに頼るという事を学ぶべきですね! アカデミーの頃から、距離を置きたがってたのが仇になってます。依存して頼りがちになる人もどうかとも...思えますが。助けてほしい時に、助けてといえる人、助けてくれる人が近くにあるんですから、もっと他人ひとに頼ってくれてもいいのですよ? この度のような、結果的にスライム風呂で尻の穴まで広げられて覗かれるような、羞恥しかない...当方なら数度、自殺も考えるようなシーンも回避できてた筈です!!」

 いや、そこまで言わんでも。

 そりゃ、そうだけどもさあ。

 エルフが他人に頼るとさあ、なんか嬢が湧いちゃってさあ。

 君たちが先に、逝っちゃうわけでさあ。

「――乙女神さまからは、もっと先輩の前の方が見たかったと興奮気味で囁いておられますが...」

 え?!

「当方もエルフのハーフ。ちょっとやそっとでは死にません!! こう見えましても、成長豊かな優等生でしたので、相手がヒルダ嬢のような化け物以外であれば看破も致しましょう。なので頼るのならば、ガールフレンドなミロム嬢よりも同族に...」

 ミロムさんに、後輩が反撃してる立場。

 一緒に洗いっ子した仲ではあるが、現在進行形の恋敵でもある。

 唐突の宣戦布告に対して彼女が反応したっぽい。

「おい、修道女!!」


「ふぁい?」

 丸顔の後輩の顎を掴み、頬を潰してる状況。

 その状態で声をだせば...

 まあ、そうした声も出よう。

「どっちでイカされたいか?!」

 えっと、え、な、なに?

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