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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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そうだ! この世界の話をしよう

 ちょこっとずつ開示されるようにでてくる...世界の一般常識。

 あたしがことわりを知らな過ぎるのが問題なんだけど。

 エルフの隠れ里から、

 魔法の学校へ行って、さらに冒険者になった後も、囲われた世界の中でしか生きてこなかったから。

 何も知らなかった...


 っていうのは、いい訳にしか聞こえないかな。



 ラグナル聖国、コンバートル王国、メガ・ラニア公国の乗る大陸は、大きなひとつの世界から見ると...複数のうちのひとつでしかない。海で隔てられた対岸には、最も巨大な()大陸なんてのがある。

 あたしの故郷である隠れ里も...その大陸だ。

 さて、大して大きくも()()って言いうのは、超大陸の存在を知っているからだけど。

 国の大小に関係なく、経済はほぼ構造上同じになっている。

 港を多く持ってたコンバートル王国が、海向こうの国とも貿易を盛んにしてたから。

 必然的に、だね。


 コンバートルの取引相手国と同じ作法を導入していくことになって――

 はや3世紀。

 各国でも盛んに貨幣経済が導入された。

 市民レベルでは未だに抵抗はあるみたいだけど...硬貨で実感する“富”の魅力には抗えないようだ。

 鋳造される硬貨は、

 下から“銅貨”。

 銅貨1枚の呼び名は様々だけど、共通語では“カッパ”って呼んでる。

 .9999の純度を誇る銅のインゴットから作られて、光沢が性癖にささるという変態さんが多い金属。希少ではないけど、地域によっては銅貨が経済の中心貨幣ってとこもある。


 で、次に“銀貨”。

 銀貨1枚に対して共通語では“シルバ”って呼ばれる。

 聞き取れなかった国では訛って“ジルヴァ”、或いは“シルヴ”だ。

 銀貨1枚に対する価値はやはり各国とも、それぞれに違う。

 銅貨100枚だったり1000枚って国もある。

 この大陸では銀の採集できる山が少ないからだ。

 で、当然、希少価値は数段に跳ねる。


 で、次に“金貨”。

 これはもう作ってる国が少ない。

 交易商人の間では、金貨や銀貨ではなく“棒”を用いる。

 金属を棒状にして目方によるシステム。

 金貨を噛む所作は、この棒を噛む商人たちから広まった、とか。

 さて、金貨だけど。

 硬貨にした時、柔らかすぎて実用性が無いと分かっているので、流通させている金貨は一律で“金合金”が使用されている。ま、殆どの金貨には、ドーセット帝国皇帝の横顔が彫られてた。

 うん、ヒルダのお父ちゃんなんだわ。

 見たことないけど。



 金貨の純度は、3割の銀を混入させて鋳造される。

 それでも十分希少価値は高いのだけど、純金じゃないって知ったら...そうだと思い込まされてた人々は、キレてもいいベルだと思わない? そうした金貨の光沢はまあ、白っぽい。

 白金貨って呼ばれてるらしい。

 あたし? いや、金貨なんて触ったことないよ。

 お金持たせると、財布に穴が開いてるから...

 道に棄ててるようなもの。


 もういい、嗤って。

 あたしの買う財布、お金が残らないのよ。

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