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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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新王と市民軍 王都灰燼 13

「こっちの案件は城主の首ひとつ。で、“金色のサイクロプス”は城主の息子の方だったっぽい」

 ...っ。

「っぽいって、どっちだよ!」

 後輩のツッコミは痛いんだよなあ。

 思いも寄らぬ角度から、脇腹の下にジャストミートする。

 クリティカル判定が入ると...

 ヒルダがその場に、転がってた。

 膝から崩れたっぽい。

「い、いや...友達じゃな、いんだから...知る由も」

 涙目、

 涎、

 鼻水が口の中へ...

くれないちゃん」

 ミロムさんがヒルダを介抱。

 ヒール要る?とか訪ねてた。

「おっと、つい姐さんばりの...」

 やっちゃいましたね。



 ヒルダさんが復活してから、話の続きが始まる。

 ま、彼女が転がってた草地に腰を下ろしての、昔語りなんだけど。

 なんで、レジャーシートを敷いてらっしゃるんです? 後輩ちゃん???

「持ってたからですよ。姐さんはすぐ“疲れた~”って、その場に座り込んで股をまさぐるんで...変なとこに座らせないために、いつも持ち歩いてるんです。盗賊狩りしてた時も、すぐ飽きて座り込んじゃう問題児だったんですよ!!」


「ああ、そういとこ変わらんだね」

 ミロムとヒルダは、あたしの昔も語りだす。

 ちょ、やめてよー

「パーティー組んでた時から、似た感じだったよね~」


「そうそう、石ころ踏んづけて“足くじいた、いた~い~”って泣き言上げたら、モンスター呼んじゃって...ひどい目にあったよねえ。あれ、マジやばかった」

 あ、うん。

 あった、そんなこと、あったなあ。

 懐かしい。


 女の子だけの特殊なパーティーだったけど。

「セルコットのやつだけだったな」


「あ、それそれ」


「何がです?」

 後輩が二人に問う。

 あたしも気になる。

「パーティーのメンバーが女の子だと思ってたこと。ニーハイ、太ももでショートパンツの子」


「あの子!! いたいた。盗賊シーフだったよね!」


「ま、まさか...ショタ属性ですか?!」

 驚いた。

 まな板同士で気が合ったと思ったけど。

「中性の子でね。今も、大して変わってないけど......いまなら、ちゃんと男の子だよ。ま、本人は男の娘って属性だって言ってたけど」

 マジっすか?!

 女の子だと思ってたよ。

 ちくしょー、数少ないまな板属性だと思ってたのに。

「揉めば大きくなるってアドバイスしてたのは、嗤えたけど..いや、まぢでセルコットには悪いけど、あの子もしこたま揉んだらしいよ。んで、自力で膨らみを手に入れやがってよ、マジ、こっちが驚かされたわ」

 “鬼火”の解散後、盗賊の彼は娼館で少し技を磨いたという。

 ま、碌な技ではないと思うけど。

 そこでお姉さん方に歓ばせ方なりを学んでいるうちに...その、オムネが膨らんできたという。

 なんつう、羨ましい話だ。


 で、彼はちっぱい属性に入ったとか。


「金色の話ですけど」

 ここで後輩によって話が戻される。



 あたしを狙撃した鐘楼上の敵。

 同じ暗殺者だと思うけど、火縄銃マスケットを使用した暗殺方法だと別の大陸の者だろう。

 この辺りだと石弓までが標準といったところだ。


 でも、手口を見せつけるのって自己主張だし、下策もいいところだ。

「ちぃ、犬の奴...追ってくるか」

 わんわん、聞こえる。

 犬の鳴き声に誘われるように、衛兵とか集まってくるし。

 あまりいいことは無い。


 動物、殺すのはなあ。


 で、また“ジィッ”て音が聞こえた。

 振り返って犬を見た時、後頭部が狙われたものだ。

 しかっし、イラっと来るなあ。

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