表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

博士と立野くん

若返りの薬

作者: 星野☆明美

「立野くん。今、なんの研究してるんですか?」

近所のおばちゃん(50歳)が気さくに声をかけてきた。

「若返りの薬です」

「んまあー。ぜひ私を被験者に!」

「見た目、10代になりますが、大丈夫ですか?」

「大丈夫!私、気持ちは10代のまんまだから!」

「では、これを飲んで」

オレンジジュースそっくりの飲み薬だった。

ごくごくごくごく。

ぷはあ。

するすると痩せて、ほっそりとなった。肌も艶々。

「そーいえば、聞いてませんでしたが、10代になって何をするつもりですか?」

立野くんが素朴な疑問を口にした。

きらーん。

双眸が煌めく。

「世界征服」

「はあ?」

「天下取ったる!」

メラメラ瞳の中の炎が燃えてる。

彼女はセクシーな衣装に着替えて、時の支配者に会いに行った。

「私を妻にしてください!」

「お嬢ちゃん、あと10年してから来なさい」

「なんで?」

「若すぎるんだよ!犯罪になっちゃうよ!」

彼女はすごすご帰ってきた。

「元に戻る薬もありますが、どうしますか?」

「あと10年成長するまでこのままでいます!」

「決意は固いんですか?」

「もちろん」

「お子さんがいらっしゃるんじゃないんですか?」

「知りません」

「旦那様はどうされますか?」

「それも知りません。私は、新しい人生を、後悔しないように生きます」

これは、困ったぞ、と立野くんは思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ