表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

急須と子犬

作者: 藤峰

ほのかに香る淹れたての

急須に子犬が手を伸ばす


「あぶない」


叫んだ私の声に

首を傾げた子犬は、まだ0歳




ほのかに香る淹れたての

急須に子犬が身を乗り出す


「お前のではない」


窘めた私の声に

鼻を鳴らした子犬は、もう1歳




ほのかに香る淹れたての

急須に子犬は目もくれない


「変わったな」


驚いた私の声に

尾を揺らした子犬は、じき5歳




ほのかに香る淹れたての

急須を子犬はただ見てる


「老いたな、お前も」


呟いた私の声に

瞬きで返したお前はもう、いない




──




ほのかに香る淹れたての

急須の湯気の、その先に

揺れる尾っぽを垣間見る


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ