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チートの片鱗

人の話は遮るもの、良い子は真似しちゃダメだよ

「まずは落ち着いてください。あなた達の状況をご説明させて頂きます。」と真っ白なドレスを纏い色鮮やかな装飾を付け、まるで絵本のお姫様の様な同い年くらいの女の子が笑顔で語りかけてきた。


「落ち着けるかよーっ、ここはどこだ?俺たちを誘拐したのかお前達?ああーーっん?」と野間琢磨が再び喚くが、イケメン正義マン星野聖也が口を挟む。

「野間、ここで声を荒げても解決しないぞ。まずは、、あのーーっと、あのーっ?」


「はい、わたくしの名前はカリーナ。カリーナ・テンバラス・サユキと申します。」

「サユキ?さっき言っていたサユキ帝国というのは?」と星野聖也が尋ねると、「はい。この国の名はサユキ、サユキ帝国と言います。この部屋は舞踏会用のホールで王宮の一画です。わたくしはサユキ帝国の第1王女として皆様のお迎えをさせて頂きました。」お姫様の登場に場は騒然となる。


「きゃーっ本物のお姫様よーっ」

「携帯、どこだ?映えるぞーっ」

「可愛いーーっ」

場が盛り上がる中、星野聖也は野間琢磨に続ける。「まずは、姫様の話を聞いてから、どうするのか考えるんだ」。


剣道部のエース、武藤和也も「野間ぁ、聖也の言う通りまずは話を聞こうや、何も分からないと動きようがないぜ」と野間に落ち着けと話しかける。


「チッ」野間は舌打ちをし取り巻きの2人を連れて後ろに下がっていった。


この間にも紀恵は解析を終え、ばにらとどうするかを相談している。


「さて皆様。まずはこの世界の説明を致します。」とカリーナ王女が話し始めるが、またしても野間が「この世界って何だ?日本じゃ無いのか?」と言ったところで星野聖也と武藤和也の視線に気付き視線を逸らす。


「はい、ここはリアーナという世界です。皆様の世界からこちらの世界へは神のお告げによる召喚魔法により、選ばれし戦士として召喚されたのです。」

(神は神でも世界の崩壊を願っている亜神だけどな)ばにらは聞き耳を立てながら心の中でツッこんでいた。


「召喚目的は世界平和。今、このリアーナでは様々な種族による領土の奪い合いと魔物による被害で多くの人命が日々、失われております。」悲しげな目を向けカリーナは続ける。

「我が国にも盛況な兵士はいますが、神のお告げによると召喚で選ばれし戦士には特別な力が授かり、育てる事で一騎当千の力を発揮できるとの事なのです。どうかお願いです。この国に住む民の為、世界の為に皆様のお力をお貸しください!」


『『『『えーーっ?』』』』


カリーナ王女は土下座し力の限り声を上げて叫んだ。

それを見たクラスメイト達は全員が驚いた。


その時、カリーナ王女に電撃が落ちた。

「あばばばばばばばばばばばばばばばーっ」

滑らかで綺麗な金髪はチリチリになり、身体中から白い煙を上げている。


『『『『『『『『えーーーーーっ?』』』』』』』』


混乱に混乱が重なる中、みんなの視線は電撃の飛んできた方、そう、ばにらと紀恵に注がれた。


「夢前、生島さん、一体何の真似だ?それにその雷は?」星野聖也が叫ぶ。


「はぁっ、めんどくさいなぁ」ばにらが呟くと、

「ほらっ、面倒なのは同じだから早く片付けよ?」と紀恵がフォローする。


「夢前ぃ、てめぇ何してんだコラァ!!」

「白髪の癖に!」

「生島さん、そんな奴のところは危ないからこちらに!」

野間琢磨に取り巻きの比嘉雄二、松井健太郎か続いて叫ぶ。


「お前達、そこを動くな!!」

王女の周りにいた兵士の隊長格と思われる強面が周りの兵士に指示し、ばにら達とクラスメイトを取り囲もうとしている。


【パッ!】

その時、隊長含む兵士全員の姿が消えた。


(対象この部屋の兵士、座標指定、死の森深層、指定転移!)、紀恵が無詠唱で一瞬のうちに想像魔法で兵士を飛ばしたのだ。死の森とはリアーナでも高レベルの魔物が生息する場所で最低レベルでも100は超えている魔鏡である。更に森の奥深く深層に飛ばされた未来は死しかないだろう。


一瞬の事で白煙を吹き意識の無い王女はもとより、クラスメイト達は何が起こったのか理解出来ずにいた。

ザ、急展開なぅ

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