表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔王の人間無双  作者: 月田優
旅立ち編
10/52

クシェル・ダーマイス

 オレと少女は夕暮れに染まる街並みを歩いていた。

 気まずい雰囲気だったので、オレから話を振ることにした。


「そういえば、自己紹介がまだだったな。オレはガゼル・レイヴァルド。君と同じ魔法騎士志望だ」


 そう言うと、少し驚きながら自己紹介してくれた。


「そうだったんですか。あ、私はクシェル・ダーマイスといいます。さっきは助けてくださってありがとうございました」


「そんな大したことはしてないよ」


 謙遜ではなく本当にそう思ったので、そう口にしておく。


「いえ、こんな素晴らしい剣まで頂きましてありがとうございます!これで、入学試験に合格できます」


 剣を買うとかも言っていたが、魔法騎士になるのに並々ならぬ理由がありそうだ。


「クシェルはどうしても魔法騎士になりたいんだな」


「はいっ!魔法騎士は私の目標ですから!」


 クシェルは急に目をキラキラさせて、昔話をしてくれた。


「昔危ないところを魔法騎士様に助けてもらって、それで私もなりたいと思ったんです!」


 実に単純な理由だか、なりたいものなんて皆複雑な理由があるわけじゃないだろう。

 それだけその時のことを印象的に感じていたんだろうな。

 そんな風に推察していると、不意にぐぅ〜とお腹がなった。


「話の途中で悪いんだけど、この近くで泊まれる宿を知らない?よかったら教えて欲しいんだけど…」


「はい。剣を頂いたお礼にとっておきの宿を教えますよ」


 クシェルに案内されて、オレは宿に着いた。

 自室のベッドに寝転び今日を振り返る。


(色々あったが、いよいよ明日が入学試験か…)


 オレ新しい人生の幕開けに少し胸を踊らせながら、そのまま眠りについた。







 入学試験当日、オレは試験を受けるため学園に向かっていた。

 隣にはクシェルもいる。


「今日はお互い頑張って合格しような」


「はい、頑張りましょう」


 オレたちはそう励まし合う。

 学園についたところでオレたちは別れた。

 入学試験には素質調査、実技試験、筆記試験の三つがあり、その合計点で決まる。

 オレはまず素質調査を受ける。

 素質調査とは、魔法騎士にとって重要な役目を果たす、魔力の量をはかる調査のことで、素質のないものはここでふるい落とされる。


「3564番、ガゼル・レイヴァルド」


 受験番号を呼ばれ、オレは総魔力量を数値化する魔道具に魔力を流し込む。

 魔道具には4000と表記された。

 これは高いのか?それとも低いのか?

 基準が分からないからなんとも言えない。

 すると試験官が瞬きを何度もしながら魔道具を凝視する。


「き、君は一体……いや、なんでもない……」


 オレの方を見てそう呟く。

 全く、なんなんだ?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ