3話 偽りの恋人
なんだろう、この状況。
目の前には頭がおかしい女の子が一人。
「頭、大丈夫?」
「言わんといてぇ!ウチも変やってわかっとるん!けどお父ちゃんがこうするとアホな男は何でも許してくれるっていってたん!」
えっ?僕アホっぽそう?それよりもそんなので呪いのこと許すとおもってるの?
「というより、なんで娘を使って呪いの件を許してもらおうとおもってるんですか。魔王様」
「猫耳美少女というのが大好きなのだろう?お前ら人間は。まぁこれで許してもらえたらラッキーみたいな?」
「許すかぁ!僕は呪いの話が本当なら明日からガチムチハーレム完成しちゃうじゃねーか!」
「ハハハ、面白いな」
「ぶっとばしますよ!?」
「お父ちゃん・・・」
おお!娘さんは自分の父親がやった呪いについての罪悪感があるみたいだ
「ガチムチハーレムって・・・ウヒヒ」
訂正。やっぱり魔王の娘だわ。こちらに顔背けてるけど、肩が震えて笑い声聞こえてるもん。
「まぁまぁ落ち着け小僧、冗談だ。流石の俺も可哀想と思ったから娘をサポートにつけようとおもったのだ」
「サポートって、どのような?」
「とりあえず小僧がまた学校に行き始める日に娘を転校生としてお前のクラスに入れる」
「転校手続きとかは?」
「そんなの魔王の力でちょちょいのちょいっすよ。法律だって変えれるぞ」
「なんか、犯罪みたいですね。まぁいいや、で、娘さんはどのようなサポートをしてくれるんですか?」
一見落ち着いて会話してるように見えるが僕は内心ドキドキしていた。ちょっと頭おかしいけど、こんな美少女にいろいろサポートしてもらえるなんて。どんなサポートしてもらえるんだろう?グヘヘヘ。
「ウチはとりあえず君がガチムチハーレム築いてる所を遠くからながめとるよ」
「サポート意味なし!」
なんなの!?やっぱり魔王の娘っすね!
「というのは冗談で、ウチは君の彼女になろうとおもうの、そうしたら他の男達は遠慮して、あまり近づきすぎないし、女の子達はあまり人の恋人に悪口とか嫌がらせはせんやろしなぁ」
えっ!そこまでしてもらえるの?けど・・
「本当にいいの?嘘の恋人だとしても」
「ええの、ええの、お父ちゃんがやったことに罪悪感あったし、ずっと封印されとったから、これからいろんなこと経験していきたいん、恋人ごっこも少し憧れてたんやよ」
なんて、いい子なんだ。やっぱり魔王の娘とかおもってごめんね。
「それで君の名前を聞かしてくれへん?彼氏の名前知らんのはおかしいやん?」
「僕の名前は寒川心春。よろしくね、えっと・・ 」
「ウチの日本に合わした名前は佐藤理恵。真の名前はサーニャ。これからよろしくね春くん」
そう言って手を差しのべた理恵ちゃんは本当に魔王の娘とは思えないくらい優しい顔をしていた。
呪いで暗い未来しかみえなかった僕の心に一筋の光が指した。
僕も笑顔で手を差し出した・・・・・パンツをもって
「いやぁー!変態!」
へへっ、すっかり忘れちまってた。