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異世界で魔王様は勇者をするそうです。  作者: ベルクト
冒険者
8/18

8話 大発見

 宿に戻ると、ミナが鼻歌を歌いながら、花壇の植物に水をかけていた。楽しそうなのはいいのだが、緑ずくしなので、花壇の植物と一体化していた。


「よう、ミナ、水やりか?」


ミナは俺に気付くと、鼻歌をやめてこちらを見た。夢中で水やりをしていたのを見られ恥ずかしいのか、少し顔が赤くなっていた。


「―っ!う、うん、植物は水が命だからね。毎日やってるの」


「そうなのか、植物が好きなんだな」


「ええ、母親譲りよ。こんな宿建てるぐらいに植物好きな、ね」


 なるほど、母親も植物好きか。

 そういえば食堂に、ミナと似た女性を見たな。同じ緑髪だったはずだから親子なのだろう。


「そういえばレギオンさん、冒険者登録はもう終わった?」


「ああ、さっきしてきた。ていうか、名前覚えててくれたんだな」


 ちょっと嬉しいな。今までは、魔王とかしか呼ばれなかったからなぁ……


「まあね、ここに一カ月も泊ってくれるんだから、名前ぐらいは覚えるわよ。ここはあんまり人もこないしね」


そうなのか、殆んどが緑な事以外いいところなんだかな。経営とか大丈夫なのだろうか。そう思い聞いてみた。

 すると、ミナは苦笑いをしながら言った。


「まぁ、ぎりぎりね。今やっていけてるのは、植物好きな常連さんがいるからなの」


 ふーん、植物好きにはたまらないかもしれない。

 外の壁どころか内装にまで植物が生えているからな。部屋にはないが。


「レギオンさんも植物好きなの?」


 上目使いで聞いてきた。可愛いな。ここは無難に答えておこう。


「んー、嫌いではないな。どっちかっていうと好きな方?」


 そう言うとミナは笑顔で言った。


「じゃあ、もっと好きになってね!」


 一瞬、世界中の植物を守りたいと思ってしまった。しないけど。

 そういえば、この前倒したグルフラ(グールフラワー)は植物に分類されるのか?見た目は馬鹿でかいチューリップだったが。まぁいいや。爆発四散した奴のことは忘れよう。


「努力する」


 そう言って俺は宿に入り、ちょっと動いてる気がする植物を眺めつつ、緑のドアをあけ、自分の部屋へ入った。


 俺は装備を脱いで、ベットに横たわった。


「ふぅ……とりあえず、色々整理するか」


 そう思い、今まで得た情報を整理することにした。


 まず、この世界についてだ。この世界はマコトの居た世界とは全く異なる異世界だろう。魔法や魔物が存在していることからも、これは確定だな。

 あっ、テトラにこの世界が何て名前なのか聞くの忘れてた。しかたない、後で調べておこう。


次に勇者についてだな。勇者とは、魔王を倒し世界に平和をもたらさんとする者を指す。つまり、この世界にも魔王が居るのだろう。

 人助けになるのならば倒すが、同じ魔王なので倒すのは気が引く。話し合いで解決したいところだが、まぁここは後々考えていこう。


最後に、俺の今後だ。元の世界に帰るのもいいが、折角の異世界なので人の役に立って帰りたい。マコトとも約束したしな。

 そのためにも、まず、冒険者として人助けをして、功績をあげてから勇者になろう。Sランクなんて俺のステータスなら簡単になれるだろうけど、急ぎすぎても駄目だと思うからな。


しかし、一人では色々不便だな。この世界での知識が圧倒的に足りないし、荷物を持つのもめんどくさい。

 俺は収納魔法を使えないので、使える奴が居てくれるとうれしいのだが、いないだろうな……元の世界でも収納魔法を使える奴は極稀だったし。

 俺は期待せずに【エリアサーチ】で持っている奴を探した。


「うーん、やっぱいないか……って、え!?」


 俺は収納魔法を持っている奴を見つけてしまった。だが、それ以上に衝撃的な情報も一緒だった。


名称:サレナ・べルクルンド

年齢:170

種族:魔族

職業:奴隷

称号:魔王の娘

Lv:320

HP:12000/12000

MP:25000/25000

攻撃力:500

防御力:420

魔力:4800

魔防:3000

俊敏:600

幸運:100


 俺は、魔王の娘を見つけてしまった……


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