17話 ジーク(?)
お待たせしました!! まぁ、待ってくれる人が居るかは知りませんが。
「ふ、ふふ。ははは!!」
ジーク(?)は自分に着いた埃を、謎の衝撃波を体から放つ事で落し、不気味に笑い始めた。
やべぇ。もしかしたら打ち所が悪かったのかもしれん。明らかに狂気に満ちているぞ。
「ふはは!!よくも俺の依り代を傷つけてくれたな!」
は?何言ってんだこいつ。依り代?もしかしてこいつ……。俺は自分の直感に従い、後ろで見ているサレナに近づき聖水の入った瓶ををもらう。道具屋でたまたま売っていたので買っていたものだ。
「とうっ」
「ぐ、ぐぁぁぁ!」
俺はその聖水の入った瓶ををジーク(?)へと投げつけた。聖水はジークに当たり中身をぶちまけてジーク(?)の体にかかった。するとジーク(?)は案の定、体からジュウと音を立てながらダメージを受けた。
「ど、どういうことですか!?」
審判をしていたリーネが慌てた顔で聞いてくる。
「なに、簡単な事だ。アイツはモンスターか何かに取り憑かれていたんだよ」
「えっ!?」
通常、聖水は人にかけてもダメージは無い。むしろ回復する位だ。だが、聖水はモンスターにかけると大きなダメージを与える事が出来る。それも、邪悪であればある程ダメージは大きくなるのだ。
実を言うと俺もあれをかけられると結構痛い。もっとも聖水のプールにでも入らない限りは自動HP回復で回復してしまうので、脅威とは言えないが。
「貴様は殺す!殺す殺す殺す殺す殺す!!」
「うわぁ怖いわー(棒)」
血走った目でこちらを睨むジーク(?)に俺が感情の入っていない反応をすると、ジーク(?)は己が纏っている禍々しいオーラを手に集中させて鉤爪のようにし、俺の方へと飛んできた。先程よりも圧倒的にスピードが上がっている。
「うおっと」
俺はそれを軽くかわし、ジーク(?)の腕を掴む。
「はっ離せ!」
ジーク(?)がもう片方の手で斬り裂こうとしてくるので、そっちの手は手刀で斬り落とす。どうせ後で治癒するので問題は無い……と思う。
「ぐぁぁぁぁ!」
ジーク(?)は激痛に暴れまわるが俺の拘束からは逃れられない。
「き、貴様は何なのだ!?何者なんだ!?」
「いや、こっちの方が聞きたいよ」
俺はそう言いながら拘束を解き、腹のあたりを蹴り飛ばす。ジーク(?)はまた砲弾のように吹っ飛び、壁に激突した。しかし、先ほどとは違って瓦礫の中からすぐに飛び出してきた。
「はぁはぁはぁ……魔王様にもらったこの力が無ければ即死だったな……」
どうやら蹴られる瞬間に、オーラを集中させて防御したようだ。何の策もなく突っ込んでくる割には、器用なようだ。
「……魔王様?」
先程のジーク(?)の発言にサレナが反応した。
「魔王様にもらった力とか言ったがどういうことだ?」
あまり期待せずに聞いてみる。喋らねぇだろうなーと思っていたのだが、ジーク(?)は目を正にキラーン☆とさせ、若干興奮気味で答えた。
「ふふふ、この力は偉大なる魔王様――タナティス様より頂いた力……貴様がいかに強かろうと、この力の前では意味は無い!!」
ジーク(?)はそう言うと、切り落とされた筈の腕を一瞬の内に再生し、背から蝙蝠の様な羽を出して空中に浮かびあがった。
「これは使いたくなかったのだが……いた仕方ない。周囲一帯ごと灰になるがいい!!」
ジーク(?)は両手を天に突き上げると、魔力を集中させ始めた。2秒程で魔力はジーク(?)の頭上で球状となり、どんどん肥大化していく。まるで元○玉だな。
「ちょっ!アレやばくないですか!?」
「ああ、予測だがあれは魔力を超圧縮した魔力弾だな。すでに町一つ分くらいは消し飛ぶ威力だ」
恐慌状態のリーネが俺にしがみついてきた。ふくよかな胸があたって……っとそんなこと考えてる場合じゃない。
「リーネ、サレナのところまで下がってろ」
「え?あっはい」
リーネがサレナの所まで移動したのを見計らい、【魔障壁】を張る。今からする事は簡単な事なので、別に張らなくても良いのかもしれないが念の為だ。
「さてと、やるか」
既にジーク(?)が造り上げている魔力弾はかなりの大きさになっている。軽くこの国が消し飛びそうだな。
「はっはっは!!もう手遅れだ!もはや止めることなぞ――」
「それはどうかな?」
俺は魔力弾に向かって超小型【重力崩壊球】を飛ばす。すると魔力弾はあっという間に【重力崩壊球】に吸い込まれて消えてなくなった。
「なっ!?何が起こったのだ!?」
ジーク(?)は突如として消えた切り札に混乱しているようだ。丁度いい、今の内に四肢を切り落として捕獲しよう。
「き、貴様何をする止めろ!やめろ!!ヤメロぉぉぉっぉぉ!!」
必死に逃げようとするジーク(?)を笑顔で捕まえる。そして手刀で四肢を切り落とし、微弱な治癒魔法で止血した。
「切り落とした四肢は拷問用にあとで食わせよっと」
このセリフを聞いたジーク(?)は、無残にもお漏らしをしたのだった。
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並行して書いております、[絶対防御の転生者~神の裁き?全部俺が防いでやんよ~]も読んでくださると嬉しいです。




