15話 白髪ロン毛は不幸者
「さて、行き先は決まったがドラゴンの解体とかまだ終わりそうもないし、なんかしたい事あるか?」
先ほどから俺のステータスを見て硬直しているサレナに聞く。
「……なら洋服が欲しい」
「あっすまん。忘れてたわ」
サレナのローブの下の姿を思い出して事の重要性に気付く。サレナは今服とも言えないようなボロ布を着ているんだった。流石に170歳といえど女の子だ。ローブで隠れているとはいえそんな恰好をさせておくのはまずいだろう。
「しっかしな~。女の子の服なんて俺はよくわからんぞ」
逆に女の子の服を知り尽くしている魔王なんて気持ち悪いことこの上ない。
「……アリアにでも聞けば?」
「あぁ、その手があったか」
俺達はさっそく冒険者ギルドへと向かった。
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「よお、リーネ。アリアいるか?」
俺は相手をする人物が居なくて暇そーにしているリーネに尋ねる。
「あ、レギオンさんこんにちは。ギルマスは今外出中ですよ」
あちゃー外出中か。ていうかよく考えるとあの人ギルマスだったな。それだと外出してなくてもあんまり会えそうにないなぁ。
「あの、どうなさったんですか?」
「いや、サレナの服を買ってやろうと思ったんだが……なにぶんそういうのには疎くてな」
「それなら私が付き合いますが?」
「ん?いいのか?」
「はい。丁度暇ですし、もうすぐで今日の勤務時間が終わりますので」
そいつは助かる。サレナはリーネに対して謎の殺意を放っているが、これで服の事は解決だな。
リーネの仕事が終わるのを待って、いざ行こう。とした時、冒険者ギルドの扉が勢いよく開いた。
「んん~?リーネちゃ~ん。その男は誰かなぁ?」
「げっ」
そいつは白髪ロン毛の男だった。歳は20代前半と言ったところか。左右には妙に露出度の高い服を着た女がいて、気持ち悪く腕を絡ませていた。
「誰だ?お前の彼氏かなんか?」
俺がそうリーネに尋ねるとリーネは露骨に嫌そうな顔をした。
「違います!アイツはAランク冒険者、神速のジークですよ」
へぇ。神速か。大層な二つ名だこと。【サーチ】してみると確かに俊敏だけが異常に高かったが、それ以外は特に特徴的な所は無い。これでAランクなのか?
「だからリーネちゃん、そこの男は誰だい?」
男――ジークが近づいてきて、リーネに問う。リーネは顔も見たくないといった態度でジークに背を向けていたので、俺が答えることにした。
「俺はレギオン。一応Aランク冒険者だ」
俺が答えると、男はピクっと眉を動かし、こちらを蔑むような顔をした。
「キミが不正をしてAランクになったレギオンか~。ドラゴンを倒した、なんて嘘をついてランク上げて恥ずかしくないのかなぁ?」
ああん?こいつ何言ってるんだ?
「リーネちゃん~そんな詐欺野郎の事はほっといて、僕と遊びにいこうよぉ~。ん?そこのローブ着てる子、よく見たらかわいいねぇ。キミも僕と一緒にきなよ~。本物のAランク冒険者の僕と居た方が絶対いいから~」
こいつ、たらしの上にロリコンか?まぁ中身は170歳なので合法ロリではあるが。
おっと。サレナくん、その殺意の目はそこのジークとかいう奴に向けてくれ。
「ちっ。さっさと来いよ!俺様が来いって言ってんだ。光栄と思え」
ジークは話しかけても無視する二人に苛立ったのか、口調を変えてリーネの腕を掴もうとする。
「おい、やめろ。嫌がっているだろうが」
俺はその手を払い、言い放つ。なんというか、言った俺が言うのもなんだが……恥ずかしい。
「はぁ?てめぇには関係無いだろ」
「関係ある。リーネには今からちょっと付き合ってもらわんとだからな」
「ふんっ!いいだろう。そこまで言うなら力ずくで止めてみろ。決闘だ。まぁ詐欺Aランクが俺様に勝てるとは思えんがな」
ほう、その話乗った!
「訓練場で10分後に始める。今の内に冒険者を辞める手続きでもしておくんだな」
そしてジークは白髪を棚引かせ、訓練場へと足を運んだ。
レギオンが違う意味でAランク詐欺だという事も知らず……
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並行して書いております、[絶対防御の転生者~神の裁き?全部俺が防いでやんよ~]も読んでくださると嬉しいです。




