14話 行き先
「ふぅ、こんなもんか」
流石、メタルモンスターと言うべきか、周りの木々は炭すら残らず地面に関してはガラス状に変化しているというのに焼け焦げただけで原型が残っているとは。
「サレナ、こいつ結構重いと思うが収納できるか?」
俺の後ろでガクブルと震えているサレナに聞いた。そんなにメタルモンスターが怖かったのかな?
「……かなりレベル上がったから大丈夫と思う」
サレナは俺の声に一瞬体をビクッとさせた後、そこらじゅうに転がっているメタルモンスターを次々と収納して行った。
「よし、メタルモンスターの素材はレアだからハルバートのとこに持ってけば良い品作ってくれるだろう」
俺はそんな浅はかな考えで、本来の目的である薬草採集を終えた後(背後側には被害が無かったのでそっちを探した)ハルバート武器防具店へ向かったのだが……。
「無理だ。俺にそんなモノ扱えない」
こうなのだ。ハルバート曰くメタルモンスターの素材は物凄く、それはそれは物凄く硬いそうで自分の腕では変形させることすら無理だそうだ。
「第一、どうやって倒したんだよメタルモンスターなんて」
そりゃ、魔法で。そう答えたがハルバートはさらに顔を顰めるだけだった。
「いやいや、物理攻撃なら何とかカスリ傷くらいならつけられるだろうが、魔法は完全に効かないはずだ」
「魔防以上の魔力で攻撃すればいける」
「魔防以上の魔力って……兄ちゃん一体どんだけの魔力持ってんだよ」
「ん?知りたいのか?」
「まぁ……教えてくれるってんなら」
別に隠したい訳でもないのでギルドカードにステータスを表示し見せることにした。もちろん年齢とか名前とか称号は伏せて置いて、能力値だけをみせる。
Lv:1183
HP:3759999/3759999
MP:3759499/3759999
攻撃力:467499
防御力:467499
魔力:467499
魔防:467499
俊敏:467499
幸運:183
「おいおい。なんだこれは。何の冗談だ」
いや、俺も思ってるよ。逆にこれを見て何も感じない人が居るとするなら、俺はその人を尊敬するね。うん。
「まぁ、こういう事だ」
「……どういう事かは知らないが、お前が化け物を越えた何かって事だけは分かった」
ついに化け物呼ばわりされなくなったか。もっと酷くなってるような気もするけど。
「それより、ホントに作れないのか?」
「……あぁ。悔しいが出来ない。すまないな」
ハルバートは本当に悔しそうな顔をしていた。良い素材がありながらそれを扱えないことに思うところがあるのだろう。
うーん。しかし折角のメタルモンスターの素材がもったいないな……ギルドにでも売り飛ばして資金に変えるか。そう考えているとハルバートが何かを思い出したかのような顔をした。
「確か、神器を造りだすことのできる伝説の職人が居たはず……そいつならあるいは……」
ほう。神器を造り出す職人、か。
武器、防具、道具にはそれぞれランクが付いており、一般級、上位級、希少級、特殊級、英雄級、神話級があり、神話級の武器、防具、道具の事を総じて神器と呼んだりする。
実質、神話級を造り出すことは人には不可能だ。造り出せるとするなら、神か俺ぐらいだろう。
もっとも、俺のは【武具創造】で造った物なので20分程度で消えてしまうが。
「それで、グランゼス帝国ってとこは何処にあるんだ?」
そんな物を造れる職人、会わないという手は無い。それにいつまでも王都に居る訳にはいかないからな。
「北門を通った先にある魔樹の森を越えた所だ。普段は殆んどモンスターはいないが、この前、王女がグールフラワーに襲われたそうだから気をつけろよ。まぁ、お前なら目を瞑ってても大丈夫だろうが」
俺が出てきた場所って魔樹の森って所だったのか。あの辺りは一面森だったから越えるのは時間がかかりそうだ。俺は飛んだら一瞬で着くけど。
とりあえず、行き先は決まった。ヴァ―ギグルドラゴンの解体が終了して、サレナの武器と俺のマントが完成したら行くとしよう。
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