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モグラ叩きと飛行

 年末って何でこんなにやることが多いんだろう。


 前話の内容にご指摘があったため、【神力(仮)】の効果を色々と考えて、変更しました。こちらが変更後のステータス。


[神力(仮)] 邪神の力を引き出す。発動中、指定した相手のエクストラスキル以外のスキルをすべて無効にする。また、運以外のステータスを一つ選んで発動させると、選択したステータスの値が二十倍になる。制限時間は自身のレベル×一秒。発動中は攻撃的な性格になりやすい。効果が切れると十二時間の間、運以外の全ステータスが発動前の十分の一になる。


 引き出す神の名前と、効果をステータスに干渉させる物にしました。

 火竜は怒りをあらわにしてこちらを睨みつける。流石に爬虫類みたいな顔した火竜の表情は読めないが、とてつもなく威圧が高まってきているのでちびりそうだ。


だが幸いな事に、こちらを睨んでいると言う事は目を合わす事ができる。ならば【強欲の芽】の射程圏内だ。今のうちにスキルを奪っておかないと。【神速】は絶対として、あわよくば他のスキルも……いや、だから戦うのはなしだ。


 ひとまず俺は、改めてジョズ達を『アイテムボックス』の中に放り投げる。


「行けジョズ、『アイテムボックス』」


 異空間への入り口は地面、つまり真下に開く。そうすれば火竜の出現によって動揺しているジョズとノワール、そして気絶している『フェンリル』の三人を『アイテムボックス』の中に放り込むのには十分だ。


 俺は壁から少しだけ飛び出ている岩を足場にして、落ちていくジョズ達を確認する。かなり驚いているがようだが、すまんな。時間が無いんだ。


 俺は全員が吸いこまれていったのを確認すると、『アイテムボックス』を閉じ、改めて火竜と対峙する。するとまず火竜が口を開いた。


「なかなかうまく逃げる奴だな。煙幕に乗じて仲間と合流する手際は人間にしてはなかなかであると言えよう。が、残念だったな。貴様から出る魔王と同じ力……そちらを隠蔽するのが遅かったな」


 あれ? 【魔神の加護】の隠蔽なんてしてないはずだが……いや、そんな事はどうでもいい。それよりも丁度【神速】のスキルを火竜から完全に奪いきることができた。後は逃げるきっかけさえあれば……


「さて、お前は矮小な人間の身でよく頑張った。何をしたのかは知らんが、仲間も不思議な術で逃がしたようだ。だから、いい加減死ね」


 俺が逃げる糸口をつかもうとしていると、再び火竜がブレスの準備をする。俺を倒すのに過剰な演出はいらないと判断したのか、溜めがほとんどない。


 俺は木刀を握り、刻んであった魔法陣を発動させる。位置関係からして『影縫い』を使えば火竜の間をすり抜けられるはず……


 しかし、流石にそこまでは甘くないようだ。


「何度も同じ手にかかると思うなよ!」


 穴から這い出てくると同時に、力を込めているのであろうめちゃくちゃ早い尻尾が俺めがけて降って来る。


 反射的に【神速】【高速思考】を発動させて再び影に潜り移動した。未だに『影縫い』は長くて三秒しか持たない上に、時間が過ぎると無理やり影の中から追い出されるため体勢が崩れてしまうため、実質的には二秒程度しか使えない。


 その結果、死のモグラ叩きが始まった。しかも、下手をすると俺が死ぬまでずっと終わらない。火竜の傍にいるだけで魔力には困らないので構わないが、速さで本気を出されると、いくら【神速】を奪っていても危ない。それに肉体の方はどうしても疲労がたまってくるのだ。


 俺が影から出ると、そこに狙いを澄ませて音速をこえる尻尾が飛んでくる。俺が影の中に移動して避難するとほぼ同時に地面がおおきく凹む。これの繰り返し。避ける度に地形が変わるので出てくるのに一々バランスを崩しそうになって心臓に悪い。


 流石にこのままじゃまずいと思い、俺はさらに切り札を使う。


 尻尾を避けた俺はすぐに影の中から出てくる。先程まではたっぷり2秒ほど――現れてから再び影の中に入るまでには、0.1秒も経っていないので、2秒でも十分に長い――影の中に入っていたので、火竜は一瞬だけ反応が遅れた。


 この極限状態でその一瞬は大きな隙になる。が、俺はまだ何もしない(・・・・・)。まだ決定的な瞬間にはなってない。


 俺が影の中から出てきた場所は尻尾のすぐ傍。尻尾を横薙ぎに振られれば一瞬で吹き飛ばされるので、普通に考えればこの場所に出てくると言うのはあり得ない。


 そして、当然のように横薙ぎに振るわれた火竜の尻尾は、俺の小さな体を盛大に吹き飛ばす――今だ。


 俺はしっかりと握った木刀を衝撃で離さないようにしながら、木刀に刻んである魔法その三を全力で叩きこむ――自分に向かって。


(『衝撃波(インパクト)』、『衝撃波(インパクト)』、50連『衝撃波(インパクト)』!)


 俺は『衝撃波(インパクト)』を自分に撃ち出して、吹っ飛んだ自分をさらに加速させた。


 火竜のとんでも無いステータスによって吹っ飛ばされ、さらに人間の中では超強い俺が魔法でさらに加速させるとどうなるか、答えは簡単。


 俺はその日、とてつもない空気抵抗を受けつつも、人生初の音速飛行を経験した。


 ハロウィン回を挿入した時、クリスマス回を投稿したら消そうと思っていたんですが……この様子だとクリスマス回を投稿でき無くなりそうです。

 仮にかけなかったらバレンタイン回でチョコレートをむさぼるスライムちゃんをきっと!

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