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腕輪と解除

 王女曰く、それ以外の人間はこちらで決めて構わないと言ってきた。俺は残ってしまうとして……神田さんと鎌倉さんはどっちを選ぶだろうか。選択によっては勇者全員の命に影響しかねないから慎重に考えておかないと。


「……それと、念のためにお伺いしますが、皆さんは先日お渡しした腕輪はつけていらっしゃいますか?」


 王女はこちらを一瞬だけ見ながら言った。さすがにばれていることぐらいは気付いている。風呂に入っている間とかもクラスメイトに突っ込まれたし、寝ている間に暗殺者みたいな奴に無理やりつけられそうにもなったりした。あのときは危なかったな。神田さんが鎌倉さんがあと少し遅れていたら鎌倉さんがはめられてしまう所まで行き、俺たちの間で大事件となった。


 そんなこんなでかわし続けてきたせいで裏から手を回すのは無理だと悟ったのか、王女は表から堂々と付けるように仕向けてきたのだろう。このシチュエーションで何も知らない人ならば付けさせる事についても怪しまれないだろうしな。


 思った通り、俺が腕輪をつけていないことを知っている生徒達何人かはこちらに視線を向けてきた。神田さん達についても同様だ。


「どうやらそちらの三人はまだ付けていらっしゃらないようですが……」


 王女は今気付いたかのように言うが、後ろにいた俺たちの腕なんて確認できるわけないだろう。


「ええ、これの事ですよね? 持ってますよ。訓練をするのにステータスを道具で上げちゃ意味ないと思って外してたんです」


 俺は腰に着けているアイテムポーチから腕輪を取り出す。同じように二人も腕輪を取り出した。


「私と結衣も持ってます。これは今嵌めないといけないんですか?」


 神田さんも腕輪を取り出しながら尋ねる。


「そうですね、万が一つけ忘れると安否がわからなくなってしまう恐れもあるので、今つけていただきたいです」


 王女はあくまでも表面上は丁寧に答える。が、とにかく腕輪をガン見している。


 俺たちはその指示に従い、腕輪を嵌める。王女はその様子をそれはもうしっかりと確認し、完全にはまったのを見ると勇者達に向けて宣言した。


「それではみなさん。一度部屋に戻って(・・・・・・・)メイドの(・・・・)呼び出しがあるまで(・・・・・・・・・)部屋から出ずに(・・・・・・・)待機して(・・・・)いただけますか(・・・・・・)?」


 その瞬間、全員の腕輪に魔力の動きがあったのを感知できた。鎌倉さんは体内の魔力に変化があったことに気付いたのだろう。体が少し動いたのが見えた。


 するとすぐに勇者達が動き出す。指示があったので自然な流れなのだろうが、いつもより部屋に戻るスピードが明らかに速いのがわかる。


 まさか全員が嵌めたのを検知した途端にいきなり命令を使ってくるとは思わなかった。俺は神田さんと鎌倉さん、二人に目配せをするとクラスメイト達と一緒に部屋に戻っていった。


 部屋に戻りドアを閉めると、脱力したようにベッドに崩れ落ちる。


「ぎりぎりか……危なかったな」


 俺は腕輪をみて呟く。実はこの腕輪、すでに隷属の腕輪としての機能は失われているのだ。


「まさか解除できた二日後に無理矢理付けさせられるようになるとは思わなかった」


 寝込みを襲われそうになった辺りからさすがに危機感を覚え、訓練の時間を減らしてまでこれの研究のために奔走していた。


 隷属と外せなくなる機能を、主人側にバレないまま失わせる事に成功した。残念ながら、一度付けてしまうとこの方法が使えないのだが……首輪ではなく、構造が単純な腕輪の方だったから助かった。


 さすがにあそこで違う行動を取って他の手を打たれたらやばいので、他の人と同じ行動を取ったが……この後はどうなるのだろうか。


 そんな事を考えていると、扉がノックされた。おそらくメイドが来たのだろう。


 俺が扉を開けてやると、そこには意外な事に王女が立っていた。


「これは王女様。呼びに来るのはメイドのはずだったのでは?」

「いえ、お伝えし忘れたことがあったので参っただけです」


 俺が若干顔をこわばらせながら尋ねると王女は微笑を浮かべて部屋に入り込み扉を閉めた。俺がラノベの主人公だったらこのままいちゃコラするんだろうが、明らかにそんな雰囲気じゃないし、物凄い威圧感がある。あ、でも神田さんに比べたら遠く及ばないな。まだまだだね!


 なんてことを考えていると王女に話しかけられた。


「まあ、随分と抵抗して、色々と情報も掴まれてしまったみたいですが……まあ、その事については誰にも言わないように(・・・・・・・・・・)おねがいします。それと、表情に出さないのはいいことだと思いますが、あまり無表情にしていると不自然ですよ?」


 王女は勝ち誇ったような笑みを浮かべつつ部屋を出て行く。どうやら誤魔化せたようだな。俺の動きが不自然なのは腕輪を嵌めさせられたせいだと勘違いしてくれたようだ。悔しがる演技をしてやろうとも思ったが、ボロが出そうなのでやめておいた。おそらく他の二人の所にも行っているんだろう。神田さんはともかく、鎌倉さんがちょっと心配だな……



 何はともあれ、これで本格的に俺達の動きが制限されてきたわけだ。一応隷属の解除方法も模索するが、とにかく自分の身の安全を優先しておく必要がありそうだ。


 ハロウィン特別回はクリスマス辺りになったら消して、クリスマス特別枠を……書くかもしれない。

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